俳優の渡哲也、渡瀬恒彦兄弟がTBS系の年末ドラマスペシャル「帰郷」(12月23日午後9時)にダブル主演し、約40年ぶりに共演を果たすことがわかった。9日、都内で収録後にそろって会見し、がっちり握手。渡は「共演はおそらくこれが最後になる」、渡瀬も「次はなかなか難しいでしょう」と今作への決意を語った。
2人の共演は、1971年から翌1972年にかけてNHKで放送された「あまくちからくち」以来になる。その後の共演オファーはすべて断ってきたという。渡は「兄弟でやるのが照れくさかったんです」と苦笑い。40年を経て兄が69歳、弟が67歳になり、日本を代表する役者として向き合う日がついに来た。渡瀬は「2人とも時間がそうない。オファーがあるうちにやっておかないと」と冗談めかせた。
渡が「弟は僕を追って業界に入ったけれど、正直いまいちパッとせず心配していた。今では味のある良い俳優になりました」と偉ぶれば、すかさず渡瀬が「アニキ“程度”の芝居しかできないのなら、僕はこの世界から消えてましたよ」と言い返す仲の良さ。カメラがまわると兄弟は関係ないと強調しながらも、渡は「他の人と違ってすぐに相談できるのがいい」、渡瀬は「やっぱりすごく変な感じ」と笑顔を見せていた。
ドラマ「帰郷」は、東京の下町を舞台に、長きにわたり絶縁状態にあった医者兄弟と2人を取り巻く家族らの心の再生を描く。渡と渡瀬が劇中でも兄弟役で、富司純子、古手川祐子、内田有紀、大竹しのぶ、柄本明らが共演。今年最大のビッグ共演で年末を締めくくる。