少女5人の全力パフォーマンスが、耳の肥えた音楽通も虜にしてしまった。27日、全国のCDショップ店員が選ぶ「第4回CDショップ大賞 2012」の授賞式が都内で行われ、アイドルグループ・ももいろクローバーZが昨年7月発売したアルバム「バトル アンド ロマンス」が大賞を受賞。リーダーの百田夏菜子は「店員の皆さんに選んでいただけて本当に嬉しいです!」。ロック、ポップスなどを押しのけ、アイドル初の快挙に満開の笑顔が咲いた。
2008年春に結成されてから約4年。大手事務所に所属するも、路上ライブから這い上がった努力派グループが、アイドルの壁をぶち破った。鍛え抜いた圧巻ダンスに加え、最新シングル「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」(3月7日発売)に象徴される型破りな楽曲の数々で、今やあらゆる音楽ファンから支持される。文句なしの受賞だった。
AKB48でも成しえない偉業。玉井詩織は「私たちは新人賞にもかすらなかったのに……」と感無量。有安杏果は「この賞にふさわしいアーティストとして、これからも頑張りたい」と意気込み、佐々木彩夏は「“ももクロ”というカテゴリーを作りたいんです」と大きな野望を掲げた。高城れには「ダウンロードじゃなく、ちゃんとお店でCDを買えよな!」。
5人に喜びの涙はまだなし。4月に横浜アリーナ2日公演を行い、大みそかに結成以来の夢として掲げるNHK紅白歌合戦の出場を狙う。この日授賞式会場となったライブハウス「SHIBUYA BOXX」は紅白の会場となるNHKホールのすぐ近く。グループ結成当初は近隣・代々木公園の路上で活動していたが、音楽ファンの信任も得て、夢の舞台にもうすぐ手が届くところまで来た。百田は「今年こそは」と力を込めた。
「CDショップ大賞」は、全日本CDショップ店員組合が行っているもので、過去1年間に発売された邦楽オリジナルアルバムから、CDショップ店員たちが最も素晴らしいと感じた作品を、メジャー、インディーズを問わず投票して選ぶ。
過去には、相対性理論、THE BAWDIES、andymoriとロック系アーティストが大賞に輝いてきたが、4回目となった今年は、最終ノミネート14作品にアイドルとして唯一残っていたももいろクローバーZが戴冠。準大賞には星野源の「エピソード」が選ばれた。