今週火曜日の夜に、2つの洋画大作の完成披露試写に行きました。最初に丸の内ピカデリーで行われたのが『イントゥ・ザ・ストーム』。続いてTOHOシネマズ日劇で行われたのが『GODZILLA』。両方とも素晴らしかったので、その感想を書きたいと思います。
『イントゥ・ザ・ストーム』の感想はすでにアップしましたので、コチラをご覧ください。
(→『イントゥ・ザ・ストーム』は超パワーアップ版『ツイスター』)
今日は『GODZILLA』についてです。実は上映終了後、スタッフの方から「ネタばらしNG項目」の紙が配られたため、ここで書けることが限られていますが、可能な範囲で…。ネタバレはないですが、何も知らずに観ることが一番幸せだと思うので、それも踏まえた上でご覧ください。
まず一言。
「やったぜ米ゴジラ!!」
トカゲと揶揄された前回の米版ゴジラから16年。今回の『GODZILLA』は、日本人が求めていた「ゴジラ」です。あのフォルム、重量感、咆哮。米国版のエッセンスが加えられながら、ベースは間違いなく日本のゴジラです。
この軸がしっかりしていれば、あとはハリウッドの技術でより迫力を増した映像を安心して楽しめます。身長は108mということで、『ゴジラVSキングギドラ』あたりのゴジラと同じ大きさ。あの巨体が、クライマックスでは痺れるような戦いを繰り広げます。前回の米ゴジラは人間のミサイル攻撃でやっつけちゃいますが、今回はゴジラの圧倒的なパワーに人間はあまりに無力…。
特に良かったのは、「焦らす」ことです。もう色々な所で言われていますが、今回のゴジラはなかなか出てこない。1954年版と同様、「来るぞ、来るぞ」という恐怖を煽りながら、満を持してド派手に登場します。ギャレス・エドワーズ監督は、注目された『モンスターズ/地球外生命体』でもひたすら男女の恋愛や人間の醜さを描いたあと、最後の最後に巨大タコ?を登場させました。「見せ場」というのをよく心得た監督なんですね。
初めての登場シーンだけでなく、随所にゴジラの「見せ方」、「現われ方」、「戦わせ方」の演出にこだわりが見られ、思わず「いよっ!待ってました!」と歌舞伎のように声を挙げたくなります。鳥肌立つ人も多いんじゃないかなと思います。
ゴジラの存在(性格?)も、今回は非常に印象的でした。人間がゴジラをどう扱うべきか、判断しきれない。日本版の場合、モスラが出てきた時のゴジラは悪いヤツ、キングギドラが出てきた時はいいヤツ、といったように、どの作品でもある程度立ち位置がはっきりしていましたが、今回は単純な善悪では描かれておらず、今後の展開(すでに続編製作が決まったそうですが)にも大きな含みを残しています。1954年版のゴジラに近いような気もしますが、それともちょっと違う。
監督も「ゴジラの善悪を問うのは、ハリケーンが善か悪かと聞くようなもの。ゴジラは自然の力だが、もっと凶暴で、予測がつかない。この映画で彼が立ち向かうものは、人間による自然の乱用を強く象徴している」(プレスシートから抜粋)とコメントしており、その解釈が、映画にもそのまま表れていると思います。これは、観ている側の感情に期待と不安を入り混じらせて効果的に感じました。
とにかく、今回のゴジラは期待を裏切りません。個人的にも1度頭の中をリセットして、何も知らない状態でまた観に行きたいぐらいです。観る時は、ぜひ映画館の中でも大きなスクリーンで上映している間に足を運んでください。
さて、金曜日なので最後に恒例の競馬予想。今週はマーメイドステークスとエプソムカップがありますが、東京はまた天気が荒れ模様なので、マーメイドの方を選びます。本命はシャトーブランシュ。今回の出走馬はフーラブライドとシャトーを除けば全馬条件馬。シャトーは前走、オープンで牡馬の骨っぽいメンバーを相手にしながら4着に善戦。それでいて今回は条件馬たちと差のない斤量53kg。条件的に恵まれたように思います。