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話題の韓国映画『怪しい彼女』を観た (vol.164)

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話題の韓国映画『怪しい彼女』を観た (vol.164)

2014年05月26日

話題の韓国映画『怪しい彼女』を試写で観ました。今日はその感想を書いてみようと思います。

以前から「傑作」との噂が飛び交っていた同作。今年の沖縄国際映画祭ではグランプリを獲得し、現地で観た当社の記者も絶賛していた(→記事はコチラ)ので、非常に気になっていました。韓国でも860万人以上を動員する大ヒットになったということ。さてさてどんなものか、その感想は…


期待を大きく上回る快作!!


でした。個人的には、今年これまでに観た映画の中でも3本の指に入ります。ちょっとファンタジックな『怪しい彼女』。70歳の毒舌ばあちゃんが、ひょんなことから20歳の女性に若返り、そのキュートなルックスと美しい歌声で周りを虜にしていくお話です。

最も面白いのは、20歳の美女なのに、中身は70歳のばあちゃんというギャップ。可愛い顔なのに、発する言葉は汚くて下ネタで礼儀も皆無。年上(実際にはだいぶ年下)の人間に臆することなく食って掛かる姿は爽快です。言葉選びも抜群で、彼女が悪態をつくたびに噴き出しそうになってしまいます。

20歳のばあちゃんを演じたのは、シム・ウンギョン。超美人というわけではないですが、素朴で可愛らしい雰囲気を醸せる女優さんです。この人の突き抜けた演技が傑作と言われる所以でしょう。顔がゆがむほど強烈な表情で相手を威嚇し、観客を惹きつけてしまいます。この作品のために方言も習得したそうで、畳み掛けるように繰り出す毒舌は「圧巻」ですよ。

笑いの感覚も限りなく日本に近いもの。もちろん全部は言えませんが、例えばパンチパーマのおばちゃんたちが並んでテレビを見ている姿を後ろから眺めて、「ブロッコリーみたいだね」とつぶやく場面は最高でした(字幕翻訳者さんの腕もあると思います)。お笑いに必要な「間」の取り方も抜群ですよ。

また、歌も良いのです。若い時の夢を叶えるために、彼女は歌手になっていくのですが、これも日本人の琴線にふれるものあり、ノリノリで聴けるものあり。そして、最後は感涙のクライマックスが待っています。

監督は『トガニ 幼き瞳の告発』のファン・ドンヒョク。『トガニ』は重厚な社会派作品で素晴らしかったですが、こんな軽くて笑える作品も手掛けられるのですね。今後も新作が出れば注目していきたい監督です。

公開は7月11日。オチも秀逸で、125分間余すことなく楽しめると思います。



平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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