閲覧中のページ:トップ > 文化通信バラエティ > 平池記者の「競馬ときどき映画」 >

『アナ雪』で一気に浸透するか「MovieNEX」 (vol.168)

平池記者の「競馬ときどき映画」

最新記事

『アナ雪』で一気に浸透するか「MovieNEX」 (vol.168)

2014年06月04日

『アナと雪の女王』のDVDが7月16日に発売されることが発表されました。「早くリリースされるらしい」という話はチラホラ聞いていましたが、今も劇場で大ヒットが続く中で、もう来月に発売されるのは意外でした。

さて、「DVDが発売される」と書きましたが、実はDVD単品では発売されません。正しくは「MovieNEX」が発売されます。一応、ご存じない方、あるいは「聞いたことある」程度の方のために、この「MovieNEX」を少しご説明します。

ディズニースタジオが昨年11月から売り始めたのがこの「MovieNEX」。パッケージの中身は、ブルーレイとDVDと、iPhoneなどの携帯端末で観ることができるデジタルコピー権。さらに、同封のパスワードを使って特設サイトに入ると、色々な特典を手に入れることができます。(MovieNEXワールドという名称)

最後のMovieNEXワールド。例えば『アナと雪の女王』なら、オリジナルカレンダーやスマホ用の待ち受け、ディズニーストアの10%オフクーポンなどをダウンロードできるようです。これらのコンテンツは随時更新されるので、これからもずっと楽しむことができます。

ディズニーは今後、一部作品を除き、基本的にはMovieNEXだけを発売し、DVDやブルーレイの単品、廉価版は発売しないと明言しています。消費者からは「強引だ」という意見もあると思いますが、せっかく発売直後に高い値段で買ったのに、半年後には1500円で売られていてガックリ、という思いはしなくて済むので、わかりやすくなったと思います。

このMovieNex、『モンスターズ・ユニバーシティ』でスタートして以来、新作はもちろんですが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『トイ・ストーリー』のような旧作もどんどんリリースされています。すでに買われた方も多いことでしょう。

ただ、一般への浸透度はまだまだと思います。販売開始から半年ほどですし、現状、あくまでディズニー1社が展開しているもの。アマゾンで「アナと雪の女王」と検索しても、一緒に挙がってくる単語の上位は「ブルーレイ」や「DVD」です。熱心に映画のパッケージを買っている人でなければ、あまり知る機会はないでしょう。

ところが、歴史的な大ヒットなり、国民的な関心事となった『アナと雪の女王』なら、このMovieNEXを一気に浸透させる可能性があると思います。「モンスターハンター」の発売でPSPが一気に売れたり、映画を3Dで観ることが『アバター』で広がったように、1つのメガヒット作品が起爆剤になるケースは多々見られます。

MovieNEXにとっては、スタートから半年程度で日本映画史上に名を残すヒット作に恵まれたことは大きな幸運であり、ビッグチャンスです。作品によっては、いくら映画館でヒットしてもパッケージは全然売れない、というものもありますが、音楽がこれだけ注目された『アナと雪の女王』の場合、何度も繰り返して「Let it go」のシーンを観たい、字幕と吹替を見比べてみたいという人はかなり多いでしょう。まず大ヒットは間違いないと見ます。

さあ、今年の7月以降、MovieNEXが誰もが知っている一般的な商品となるのか、要注目です。ちなみに『塔の上のラプンツェル』も同日発売です。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

関連記事

過去のタイトル一覧

2024年

1月

2023年

1月

2022年

1月

2021年

1月

2020年

1月

2019年

1月

2018年

1月

2017年

1月

2016年

1月│ 3月│ 6月│ 7月│ 12月

2015年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 10月│ 11月

2014年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2013年

4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月