先週、TSUTAYAが面白い企画を発表しました。「第1回国民的まんがグランプリ」を開催するというのです。プロ・アマ問わず、ジャンルも不問。未発表の作品なら何でもOKという、まんが大賞です。
驚くのはその賞金。グランプリはなんと1000万円。準グランプリでも500万円というじゃないですか。しかも、グランプリは「月刊コミック アース・スター」で連載し、ゆくゆくはTVアニメ化もするんだとか。至れり尽くせりな企画です。TSUTAYAは、コミックを扱う全国740店舗で作品を大きく宣伝していくようで、この企画にかける意気込みが感じられます。4月1日から受け付け、9月30日まで募集しているそうなので、腕に覚えのある人はぜひ応募してみてください。
ところで、発表されたリリースを読む限り、連載およびアニメ化などの実務はTSUTATA(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の子会社アース・スターエンターテイメントが担うようです。アース・スターはまだメジャーとは言えませんが、「てーきゅう」や「ヤマノススメ」など、スマッシュヒットアニメを出している注目の会社。
アース・スターの幕内社長に昨年夏に話を聞いたところ、アニメビジネスはとにかく「原作から権利を押さえること」が大切だと話していました。「DVD販売権だけ」などではなかなか黒字にならない一方で、コミックやグッズも含めたトータルビジネスではチャンスがあると説明がありました。
その話の通り、風上から優秀な作品を獲得するべく、しかもTSUTAYAから全面的なサポートを受けての企画ですからね。まだ「皆が知ってる大ヒット」と呼べる作品はないアース・スターですが、このまんがグランプリは作品内容や展開次第で、大きなうねりになる可能性も秘めていると思います。賞金額からも、本気度の高さや、力のあるプロからの応募を期待する考えも窺えますし、この動きは要チェックだと思います。