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ギャガの14年~15年公開作の主軸『渇き。』とは? (vol.133)

平池記者の「競馬ときどき映画」

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ギャガの14年~15年公開作の主軸『渇き。』とは? (vol.133)

2014年03月07日

昨日、ギャガが2014年~2015年の配給ラインナップ発表会を都内で開催しました。全部で23本の説明がありましたが、メインだったのは『告白』の中島哲也監督の最新作『渇き。』です。

発表会の後半には、中島監督と出演の役所広司さん、小松菜奈さんも登壇し、興行関係者やマスコミに向けて作品のアピールをしました。

中島監督と言えば、『告白』のほかにも、『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』などのヒット作を手掛け、独創的な映像と個性的なキャラクター描写が魅力的な方だと思います。

比較的ファンタジチックなジャンルの多い監督ですが、果たして今回の『渇き。』とは…。撮影は昨年8月から12月まで行われ、今は編集作業中だそうです。完成はまだ先ですが、この日は特別に映像の一部が披露されました。

登壇した監督が「自分の今までの作品とは違う、面白いエンターテイメントになった」と語ったように、その映像は中島監督のこれまでのフォトグラフィーとは一線を画す、強烈なインパクトを放つものでした。

『グラインドハウス』のような下地に、バイオレンス、狂気が描かれ、一方で小松さんのシーンは『告白』の雰囲気も感じさせる透明感があり、何より疾走感がすごい。脚本は160ページもあったそうですが、上映時間は2時間以内に収まるそうで、非常にパワフルで勢いのある映画になりそうです。

物語は、失踪した娘の行方を追う父親を描くもの。原作の「果てしなき渇き」(深町秋生)を読んでいないので詳細はわかりませんが、「娘に愛情がなく、自分の欲望のためだけに娘を探し始めた父親が、だんだん感情が変わっていく様が面白い」(監督)のだそうです。現在と3年前が同時進行するストーリーも興味深いとか。

父親の藤島は、とにかくとんでもなく酷いキャラクター。監督は、このうらぶれた中年男を演じる役者として、はじめに浮かんだのが役所さんだったと説明。しかし「本当にひどい役なので、やってくれるわけないと思ったけど、勇気を持ってオファーした」と話していました。

一方、役所さんは「中島監督は次々と独創的なものを作られている。参加しなければ損」ということで出演を決めた様子。時系列のややこしい、変わった脚本だったようですが、「参加できて良かった」と撮影を振り返っていました。

小松さんは、オーディションで選ばれ、これが映画初出演となる新人さん。監督は、小松さんと会った瞬間に「あ、この人が(娘の)加奈子だな」と感じたようです。演技の経験はないですが、「加奈子は難しい役なので、キャリアのある人だと逆に悩んでしまうと思う」ということで、真っ白で何でも受け入れられる状態の小松さんはうってつけだったようです。監督は「全然(小松さんが役について)質問してこないので楽だった。もし聞かれても、私も(加奈子のキャラクターは)わからないんで(笑)」と笑っていました。

原作はずいぶん毒のあるストーリーのようですが、監督は「ただビックリの問題作にするのではなく、皆さんに楽しんでもらえるエンターテイメントにしようと思っている」と意気込みを語っていたので、まずはその完成を待ちたいと思います。7月公開予定です。


さて、金曜日なので最後に恒例の競馬予想。今週は弥生賞です。なんとなく、トゥザワールドの相手探しのような雰囲気のある同レースですが、あえて逆らってみます。本命はキングズオブザサン。非常に競馬が上手で、私好みの馬。東京2400mだとトゥザとの対決は分が悪そうですが、中山2000mなら立ち回りの上手さで瞬発力の差をカバーできるはず。前走は絶望的な大外枠。道中も外々を回るきつい展開でしたが、それでも2着にふんばりました。あれは、力がなければできない芸当です。

気になっていた枠順ですが、偶数枠の6番を引き当てました。しかもすぐ隣の内にいるのは逃げ馬のアグネスドリーム。キングズは、アグネスを見ながら絶好の位置につけそうな予感で、絶好枠と言えます。このレースで手綱をとる予定だったデムーロ騎手が香港で騎乗停止になり、大野騎手が前走から続投することが決まりました。再チャンスをものにしないわけにはいかないでしょう。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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