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『ローン・サバイバー』は劇場で“体感”しないと損 (vol.138)

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『ローン・サバイバー』は劇場で“体感”しないと損 (vol.138)

2014年03月20日

先週の『アナと雪の女王』の大ヒットスタートに引き続き、今週末も話題の新作が盛り沢山。どれを見ようか迷う人も多いでしょう。


明日公開の『ローン・サバイバー』もそのうちの1本。ただし、パッと見ただけでは「よくある戦争アクション?」てな印象を受けかねない作品です。このテのアクション映画が好きでも「まあDVDになってからでいいや」なんて思っている人もいるかもしれません。

全然違います。この作品は劇場で体感しないと損しますよ!


本作はアフガニスタンで05年に本当にあった「レッド・ウィング作戦」を映画化したもの。ネイビーシールズの精鋭4人がタリバン兵200人超と戦い、ひとりだけが奇跡の生還を果たしたという実話です。その生還者であり、原作者のマーカス・ラトレル氏が「ほぼ忠実にしっかり描かれている」とお墨付きを与えるほどリアルに映像化されており、アメリカでも大ヒットしました。


上映時間は2時間1分。決して短くない尺で、しかも舞台は広大な山岳地帯のみという、ほぼワンシチュエーションもの。(良質に)映画化するのは難しいような気もしますが、全編緊迫感に溢れる傑作でした。


偵察任務に就いた4人が、タリバンと繋がっている羊飼いと不運にも遭遇。一度は拘束したものの、人道的な観点から解放します。当然、逃げた羊飼いはタリバンに報告するため、200人超の大群が押し寄せるはめに。ここから「激痛」のサバイバルが始まります。(ここから少しネタバレあり)


「観ないと損」ではなく、「体感しないと損」と前述しましたが、まあ本当に痛い。戦闘能力の高いシールズ4人も物量で優位に立つタリバン兵には勝てず、徐々に後退していきます。しかし、なにせ戦いの舞台は岩肌がむき出しの山岳地帯です。そして彼らの背後は崖・崖・崖。仕方なく「落下」を選択する4人ですが、岩に激突しながら転げ落ちていく様子は目を伏せたくなるほど。どうやって撮影したのかわりませんが、みんな体を「強打」しています。階段落ちで有名な『蒲田行進曲』もビックリの衝撃のシーンですよ。


さらに、「これを“絶望的”と言うんだろうな」という危機の数々も。4人はすでに崖からの落下や銃撃戦で体がズタボロにも関わらず、土地勘を生かして簡単に追跡してくるタリバン兵たち。倒しても倒しても次々と現れる様子は、『スターシップ・トゥルーパーズ』で基地の周辺を大量のバグズに取り囲まれた時の絶望感に似ていました。


アクションの壮絶さだけでなく、シールズの友情も熱いです。すでに全員が満身創痍にも関わらず、誰かがピンチになれば這いつくばってでも助けにいこうとする。映画冒頭、非常に厳しいシールズの訓練の映像が流れますが、そこで培った絆の結びつきこんなに強いのかと感動しますよ。そして、結局どうしてひとりだけ助かったのかは書きませんが、これもなかなか胸が熱くなる理由です。


ピーター・バーグ監督のお父さんは海軍の歴史の研究家だそうで、その影響で監督自身も海軍をリスペクトしているそうなんです。前作『バトルシップ』でもそれを感じましたが、今回も非常に隊員らに対する敬意が込められています。最近は『テッド』のイメージが強いマーク・ウォールバーグですが、この作品が新たな代表作になること間違いなしです。



さて、最後に今週の競馬予想。珍しい3日間開催で、重賞も4つと盛り沢山。まだ細かく出走馬を見ていないですが、阪神大賞典からバンデを推奨します。なにせ最近はゴールドシップが頼りない。2番人気と見られるサトノノブレスも京都の良績が集中しており、阪神は少し割引。一方のバンデは、ハナさえ奪えれば長距離ならG1級の素質馬。出走メンバーを見る限り、たぶん逃げられるでしょうし、前回は少し太めでしたから一度叩いて本領発揮でしょう。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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