今日は米アカデミー賞の受賞結果が発表されました。ノミネートされていた作品の関係各社さんは悲喜こもごもだと思います。
作品賞は『それでも夜は明ける』が受賞。この結果を知ってまず思ったことは「ギャガ強い!」でした。
ここ6年で、なんとギャガの配給作品が4つも作品賞を受賞しました。
08年『スラムドッグ・ミリオネア』
09年『ハート・ロッカー』
10年『英国王のスピーチ』
11年『アーティスト』
12年『アルゴ』
13年『それでも夜は明ける』
太字がギャガ配給作品です。毎年日本では洋画が400本も公開されているのに、驚くほどの高獲得率です。02年にも『シカゴ』で受賞しており、ギャガはこれが通算5作品目。
ギャガの配給ラインナップは近年、以前よりも「賞レース狙い」のものが増えている印象ですが、そうそう狙って受賞できるものではありません。買付担当者さんの目利きが冴え渡っているということでしょう。
しかも、しっかり興行に結びつけているのが素晴らしい。『アーティスト』こそ少し物足りない結果でしたが、『スラムドッグ・ミリオネア』は興収13億円、『英国王のスピーチ』が興収18億円も上げています。
アカデミー賞を受賞すれば興行の好結果が約束されるということは全くないのですが、同社の場合、毎年のように受賞することで、アカデミー賞の結果をうまく宣伝に絡ませるノウハウを蓄積し、興行会社からの信頼を勝ちとり、2月下旬(3月上旬)の授賞式近辺にピークを持っていく流れを確立できているように見えます。
ちなみに、その『それでも夜は明ける』は今週金曜日から劇場公開されます。まさに最高のタイミングでの上映であり、ヒットスタートは間違いないと思います。
今年のギャガがそれに輪をかけてすごいのは、今週金曜日に発表される「日本アカデミー賞」でも、『そして父になる』がノミネートされていることです。
同じ配給会社が同一年に日米のアカデミー賞を制するのは、03年の松竹(『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』『壬生義士伝』)以来、10年ぶり。その前年にも松竹がW受賞していますが、仮に『そして父になる』が受賞した場合、独立系配給会社としては初の快挙となります(たぶん)。
日本アカデミー賞には6作品がノミネートされていますが、『そして父になる』は有力な1本と言えるでしょう。『それでも夜は明ける』の上映スタートも含めて、今週末もギャガの話題が絶えなさそうです。