ギャガ「ちゃんと伝える」、初主演AKIRAの28歳誕生日も祝う

　ギャガ・コミュニケーションズ配給「ちゃんと伝える」が8月22日(土)公開初日を迎え、東京・シネカノン有楽町1丁目で舞台挨拶を行い、本作で映画初主演を果たしたEXILEのAKIRAはじめ、共演の伊藤歩、高橋惠子、奥田瑛二と、園子温監督が登壇した。(写真、左から園監督、伊藤、AKIRA、奥田、高橋)

　初回の舞台挨拶では緊張で硬い表情だったAKIRAも、上映後の観客の温かい反応で緊張が溶けたのか、2回目の挨拶ではリラックスした笑顔を見せた。壇上でのムードメーカーは、この日も父親役の奥田。「監督やスタッフ、キャストの思いが詰まった作品。僕も魂込めました」というAKIRAに、「お前、(挨拶)短いよ!」と突っ込みを入れ、「AKIRAは『××スクリーム』にも出てるけど、こっちが絶対いいと思いますよ。あ、あんまり言うとT中に怒られちゃうな」と会場を爆笑させた。

　しかし、一転「この作品での役柄こそAKIRAという男の深層にある魂がこめられた役。(AKIRAを見て)日本に貴重な俳優が生まれたという印象を持った」と絶賛。園監督は「AKIRAは本当に凄いやる気満々で、根性入ってた。男の俳優では、こんなヤツ久しぶり。そしてもちろん、AKIRAだけでなくここにいる皆がOUTSTANDING!」とキャストを讃えた。

　本作でAKIRAが演じたのは地方都市に暮らす平凡なサラリーマンの青年。髪を切りヒゲを剃って、EXILEのイメージとはまったく違う役柄を演じた。AKIRAの恋人役を演じた伊藤は「(ロケをした)高校の本当の先生が“EXILEのAKIRAってどこだ?俺、ああいう怖い感じのやつ苦手なんだよ”って入って来て、そばにいたAKIRAさんが挨拶したら、それがあんまり礼儀正しいんで、“いっぺんで好きになっちゃった”って言ってました」とエピソードを披露した。

　そして、舞台挨拶の最後、突然場内に「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー～♪」の音楽が流れ、バースデー・ケーキが登場。実は、翌8月23日はAKIRAの28歳の誕生日。このサプライズにAKIRAも感動の面持ち。「初日で頭が一杯だったので、誕生日のことをすっかり忘れてました」と挨拶すると、客席から「おめでとう!」の大合唱。ここでも場を盛り上げたのは奥田で、「明日がAKIRAの誕生日だって知ってた人!」と客席に聞き、8割の女性が手を挙げると、AKIRAをしみじみ見つめ、「お前、幸せなやつだなぁ」と焼きもちまじり。AKIRAも思わず「すみません……」と恐縮。まるで実の父子のような奥田とAKIRAの掛け合いに、高橋や伊藤も目を細め、家族や恋人との愛情を描いた本作そのままの温かい舞台挨拶となった。

　病に倒れた父との絆を通して、「人は大切なことをちゃんと伝えられているか」とメッセージする本作。園監督が「この映画には父と息子だけでなく、夫婦の絆、恋人との絆も描かれているので、是非そこも見て下さい」と“ちゃんと伝えて”締めくくった。