10月1日開始した新BS放送(12チャンネル)。一部で一時的に音声障害があったほかは、大きなトラブルもなく概ね順調に発進したようだ。大半は有料放送だが、スタート時や単発、あるいは開局1年間を無料放送にするチャンネルもあるなどキャンペーン展開が図られている。番組内容もさることながら、その認知拡大が大きな課題にある。放送開始後、各チャンネルとも通常の数倍の問合せがあるなど反響を得ているというが、はたして巷の反応はどうか。当面、この周知拡大に力点が置かれるが、新聞のテレビ欄の番組表掲載は各チャンネルの願うところ。水面下で交渉が進められているが、紙面のスペースの問題がある。BS放送は24チャンネルに倍増した。現在の紙面はどうなっているか。各紙のテレビ欄の番組表をチェックしてみた。
まずは2チャンネル増えて新スタートしたWOWOW。WOWOWプライム、WOWOWライブ、WOWOWシネマの3チャンネルは、朝日、毎日、読売、産経の各紙朝刊にすべて掲載された。日経はプライムのみ。夕刊では、毎日と読売は3チャンネル掲載、朝日はプライムとライブ、日経はプライムのみとなっている。ちなみに、日刊スポーツ、スポニチ、報知、サンスポ、デイリーのスポーツ5紙とも3チャンネルを掲載。東京新聞(朝刊・夕刊)、ゲンダイ、夕刊フジも3チャンネルすべて掲載と、WOWOWはBS有料放送の云わば老舗にあって、ほぼ各紙を網羅している。
スター・チャンネル1~3では、5紙の中で朝日の朝刊が3チャンネルを掲載。他はスター・チャンネル1のみの掲載。夕刊はいずれもスター・チャンネル1だけ。あと、東京新聞(朝刊・夕刊)、日刊スポーツ、スポニチ、報知でスター・チャンネル1を掲載している状況。
注目されるはBSスカパー!。朝日、毎日、読売、産経の朝刊各紙に掲載された。朝日では最終面の掲載となっている。さらに東京新聞、日刊スポーツ、デイリーで掲載。
J SPORTS1~4(1~2は10月1日BS放送開始、3~4は来年3月BS放送開始)では、毎日新聞の朝刊が4チャンネルすべて掲載し、朝日の朝刊と産経がJ SPORTS1と2の2チャンネルを掲載。夕刊では朝日がJ SPORTS1のみ掲載。他に、東京新聞はJ SPORTS1と2の2チャンネルを掲載。そしてスポーツ紙は日刊スポーツ、スポニチ、報知、サンスポ、デイリー5紙すべてに4チャンネルが掲載されている。そして、FOX bs238は朝日の朝刊、BSアニマックスは朝日の朝刊と報知に掲載という状況。
BS放送は来年3月にはさらに7チャンネルが開始、合計31チャンネルになる。BS多チャンネル化は競争激化にあるが、新聞紙面の争奪戦も激化している。新聞への広告掲載も過熱するか。BSが揃う来春の紙面はどうなっているだろうか。
(戎 正治)