テレビ朝日「深夜バラエティ番組」の10月改編が興味深い。23時台ネオバラエティ枠で月曜~水曜の3番組が刷新し、25時台では新たに4番組がスタートする。これだけ一気に改編するのは初めてという。異例のことなのだ。
現行もこの深夜帯は好調なのに、あえて改編するのは、テレ朝には2013年度中にプライム帯(19時~23時)視聴率トップを獲得するという大目標があるためだ。次なるゴールデン進出番組を開発するという並々ならぬ意欲の現れで、平城隆司取締役編成制作局長は思い切って決断した旨を語る。
深夜からゴールデンに育成する手法は、フジテレビが先鞭をつけたが、昨今はテレ朝が御株を奪ったようで、そのプライム2帯(23~25時)は6年連続で年度平均視聴率トップ。この4月クールまでで18クール(1クール=3ヶ月)連続トップと快調。現在も首位を独走しており、プライム2帯の9月2週までの2011年度上期平均は8.4%で群を抜く。ちなみにフジテレビ6.6%、日テレ6.5%、TBS4.8%、NHK3.3%、テレ東2.6%の順となっている。
その『23時台』ネオバラエティ枠、10月の新ラインナップは以下のとおり。
■月曜「ストライクTV」 現行「お願い!ランキング」(24時台ベルト)の歴代最高視聴率9.5%を叩き出した木曜の人気企画「ストライクミュージック」をパワーアップさせてレギュラー化、MCを爆笑問題が務める。
■火曜「白黒ジャッジバラエティー 中居正広の怪しい噂の集まる図書館」 これまでゴールデンでスペシャル番組として放送し14.7%の高視聴率をマークした実績から深夜レギュラー番組化を決めた。街に広がる怪しい噂や都市伝説に、SMAP中居正広が白黒つけるというもの。
■水曜「マツコと有吉の怒り新党」 MCの2人があらゆる“怒り”にケジメをつける深夜のトークバラエティ。現行25時台からの繰上げだ。25時台にもかかわらず、これまで6.2%の高視聴率をマークするなど人気で、今年4月スタートしたばかりだが、異例のスピード出世となる。
ちなみに、「関ジャニの仕分け∞」は土曜20時のゴールデンに進出、これも放送開始半年での昇格、しかも25時台からジャンプアップ。草なぎ剛&ユースケ・サンタマリアの人気番組「『ぷっ』すま」は、「タモリ倶楽部」放送後の金曜24時50分放送へ移動となった。木曜「アメトーーク!」は変更ない。
では、次に『25時台』の新番組を紹介しよう。
■月曜「マニュアル劇団」10月3日スタート。出演は劇団ひとり他。もし東大合格のための必勝マニュアルがあったら…、もし美女と交際できるための攻略マニュアルがあったら…そんな夢のようなマニュアルを徹底したリサーチによって作りだそうという情報満載のプログラム。
■火曜「ソフトくりぃむ」10月4日スタート(事前の1時間SP9月30日OA) 出演はくりぃむしちゅー他。なでしこジャパンの活躍に沸いた日本。次世代を担う日本代表を準備するべく、くりぃむしちゅーが立ちあがった! くりぃむ・有田が中心となり、あらゆるシチュエーションの日本代表を選考してゆくバラエティ番組。
■水曜「クイズ!スピードキング」10月5日スタート。持ち点ではなく、持ち時間を増やしていく“時間争奪クイズ”。シンプル、かつ最初の1問から気が抜けない、究極まで「時間」を軸にした、全くニュータイプのクイズ番組。
■木曜「アタラシーノ」10月6日スタート。 進行市川寛子テレ朝アナウンサー。あなたが知っている10年前の常識は今、ここまで進化している…。あらゆるジャンルの専門家が、さまざまなモノ、コトの最前線(=アタラシーノ)を教えてくれる、聞いて得する情報バラエティ。
この25時台の新企画、23時台ネオバラの控え的な存在、発想もユニークで、先の「マツコと有吉の怒り新党」のような異例の出世が生まれるか、こちらも注目。深夜からゴールデン昇格・全国区になるには、その際ファミリー向け素質も求められるだろうが、まずは若者の反応はいかに。大目標達成に向け、大きな鍵となっているのかもしれない。