声優や歌手を養成する各校が、アニメ音楽=“アニソン”の教育に力を入れ始めている。水樹奈々ら歌手としても活躍する声優の増加や、多数のヒット曲を生みだした「けいおん!」ブームなどが背景にあり、各校で入学時からアニソンを学べるコースが増えつつある。
「東京アニメーションカレッジ専門学校」は、同校と姉妹校の「大阪アニメーションカレッジ専門学校」の声優学科に来年4月より「アニソン声優コース」(2年制)を新設する。2005年の開校以来、アニメ作家、漫画家、声優など、エンタメ業界に幅広い人材を輩出してきた同校。グループ校「キャットミュージックカレッジ専門学校」が持つ音楽教育のノウハウも生かしながら、本格的にアニソン声優の育成に取り組んでいく。
同校によると、国内の大学や専門学校で、アニソンの冠がついた専門コースが設置されるのは初めてという。新コースは、歌と演技の授業を均等に配し、双方を過不足なく学習できるカリキュラムが特徴。声優として必要な演技力、表現力に加え歌唱力をも兼ね備えた人材を育て、業界に売り込みをはかる。同校入学を希望する声優志望者の歌への関心は高く、新コースへの反応は上々だという。
東京アニメーションカレッジ以外の各校もアニソン教育に力を入れようとしている。今年4月に開校した「東京アニメ・声優専門学校」は「声優&ヴォーカル専攻」を設置した。また「代々木アニメーション学院」は、来年4月より「声優アニメソングコース」を新設する。さらに、「エイベックス・アーティストアカデミー」は、エイベックス・グループならではの“歌える声優”の育成を目指している。これら以外にも、様々な形でアニソンを教える学校が多数ある。
今やアニソンがヒットチャートの上位をにぎわせるのが当たり前の時代になった。声優志望者の考えとともに、教育のあり方もまた変わりつつある。