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『サンドラの週末』、ダルデンヌ兄弟ら来日

【FREE】『サンドラの週末』、ダルデンヌ兄弟ら来日

2015年03月27日
左からフロイド氏、リュック監督、ジャン=ピエール監督 左からフロイド氏、リュック監督、ジャン=ピエール監督

 ビターズ・エンド配給『サンドラの週末』のベルギー人兄弟監督・ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(96年『イゴールの約束』、11年『少年と自転車』等)、プロデューサのドニ・フロイド氏(仏)の来日記者会見が25日に千代田区・在日ベルギー大使館で実施された。

 同作は、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(07年)で第80回アカデミー賞主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤールを主演に迎え、等身大のひとりの女性(サンドラ)を描いたもの。上司に解雇を言い渡されたサンドラ、仕事を続けるための条件は16人の同僚のうち過半数がボーナスではなく彼女を選ぶこと…。コティヤールは、今年のアカデミー賞女優賞にノミネートされたばかりでなく、各国の映画祭でも主演女優賞を多数受賞している。その他出演は、同監督作常連のファブリツィオ・ロンジォーネら。後援はベルギー大使館、ユニフランス・フィルムズ。提供はギャガ。

ジャン=ピエール監督
  7回目の来日。我々の出発点となった『イゴール~』を世界で最初に買い付けて下さった人物が、ビターズEの定井勇二氏だった。改めて感謝したい。サンドラという主人公は、他の人に比べて弱く、脆いとされている人。しかし、そういった彼女が他者の意見を変えることができる。さらには他者の意見を変えることで、自分を変えることにも成功する。本作では、その動転を描いた。もっと言えば、弱さ、脆弱さに対しての礼賛を込めた。

リュック監督
 コティヤールは、彼女の顔、身体、演技の才能から、プロモーション段階になると国際的に有名な女優(が出演している)というステータスまで、多くのものを本作にもたらしてくれた。しかし、もっと印象的だったことが別にある。それは女優、女性として、非常に気前の良い人物だったことだ。撮影に入る前に彼女は『私をあなた方の思う様にして下さい』と言ってくれ、演技工夫の努力を惜しみなくしてくれた。彼女は努力し、沢山仕事をする人。しかも女優として仕事をする幸福感を他人に発することが出来る人。また彼女と仕事をする日が来るかもしれない。

フロイド
 今回が初来日。東京を発見出来て嬉しい。私は、ダルデンヌ兄弟とは古くからの友人であり、『息子のまなざし』(02年)以降の共同制作者でもある。彼らは世界で稀有な映画作家。普遍的な物語を語りつつ、我々が生きている現代の問題を語ることが出来る2人だ。

 5月23日(土)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。