レポート:第6回エンターテインメント・エキスポ香港
2010年04月14日
(ページ 4/5)
●HAFアワード、プレゼンテーション・セレモニー 3日目となる24日は、様々なサミット、フォーラム、カンファレンスが開催された。
「デジタル・エンターテインメント」(DE)関係のサミットとワークショップでは、新時代のデジタル・エンターテインメントについて。
フランスで開催されていたTVドキュメンタリーのマーケット「サニー・サイド・オブ・ザ・ドック」(SSD)のアジア版「アジアン・サイド・オブ・ザ・ドック」(ASD)関係のフォーラムでは、アジアにおけるドキュメンタリー・ネットワークスの2つの具体的な例や、3Dとドキュメンタリーについてなど。
また、スクリーン誌主催のインターナショナル・カンファレンスでは、「CGアニメ映画の新たな波」をテーマに話し合われ、日本からはカシオエンターテイメント常務取締役の瀬下寛之氏が登壇した。
そして、第8回目となる「香港/アジア フィルム・ファイナンシング・フォーラム(HAF)・アワード」のプレゼンテーション・セレモニーが開催された。日本からは坂口拓監督の「The Blood of Wolves」、手塚真監督の「Mythteries」、鈴木清順監督の「A Sense of Honey」などの企画が参加した。
HAF賞は、香港のテディ・チェンプロデュース、郭子健監督による企画「The Enchanter」と、海外からの企画としてフィリピンのシェラド・アンソニー・サンチェス監督「Twins」が受賞。Wouter Barendrecht賞は、香港・中国・スイス共同企画による洪榮傑監督「Mama Eva」、テクニカラー・アジア賞は、中国・フランス共同企画による盛志民監督「Cosplay」、そしてパリ・プロジェクト賞は、台湾のレオン・ダイ監督「I Love You So Much」が受賞。日本勢の獲得はならなかった。
●香港電影資料館 ↑年代物の映写機
その他、来年会館10周年を迎える「香港電影資料館」(西湾河)を視察。1940年代からの香港映画のフィルム、台本からポスターに至るまで約10万点、フィルムだけで7000本をアーカイブしている。写真下、香港映画の歴史が展示されている。
主に60年代~70年代の作品が中心ということだが、1940年製作の映画「孔夫子」のフィルム映像を修復したりと、修復・デジタル化にも力を注いでいる。
↑関係書物が揃う資料室 ↑館内にある試写&イベントホール
↑貴重な映画関連書
また、同館には関係書物も揃い、オンラインでデータベースを引き出すことも可能となっており、香港映画の歴史を研究する上で貴重な拠点となっている。
因みに、この時1階フロアーでは、香港の映画作家、龍剛(LONG KONG/1935年生)の特集が開催されていた。龍剛監督は、特に1960年代に社会的なテーマを、当時としては独特で革新的な手法で描き、後の香港の監督たちに影響を与えたという。