「DTSヘッドホンエックス」をご存じでしょうか。最新の音響技術なのですが、これが優れものなのでご紹介。
最近注目を浴びている音響技術と言えば「ドルビーアトモス」でしょうか。映画館で聴いていると、確かにシーンに合わせて色々なところから音が聴こえて立体感が生まれます。映画館だけでなく、昨年からはブルーレイにも搭載されるようになり(昨秋発売の『ネイチャー』から収録されています)、家庭でもドルビーアトモスが楽しめるようになりました。
とはいえ、それはあくまで家庭内でスピーカーなどの音響設備が整っている人に限ります。安いテレビで普通に映画を観ている筆者には全く関係のない世界の話でした。
「DTSヘッドホンエックス」は、そんな貧乏人の筆者もビックリの音響技術。だって、1000円以下の、耳の中に入れる昔ながらの「ザ・イヤホン」で聴いているにも拘わらず、本当に立体感が生まれるんですから!
日本でこの技術のライセンスを受けたポニーキャオンエンタープライズによれば、「5.1chなどのサラウンド音声を、通常のヘッドホン、イヤホン上で再現できる技術。最大11.1chまで対応可能で、専用のヘッドホンやホームシアター設備がなくても、手軽に映画館で鑑賞しているような臨場感を味わえる」というではありませんか。
最近発売された『劇場版 進撃の巨人 前編』ブルーレイにこれが初めて搭載され、筆者も先日体験してみました。まずは通常版で観たあと、ヘッドホンエックス版に変えて再度鑑賞。すると、本当に全然違うのです。
主人公エレンが向こうへ走り去り、左側に曲がった時は、実際に音が遠くなり、左に消えていく様子を感じ取れます。超大型巨人が腕で壁上を左から右へ払う場面では、まさに左から右へ移動していく感じに聴こえます。背後で人がしゃべっていれば後ろから声が聞こえますし、歩くエレンの顔がアップになる場面では、下で立体機動装置がカチャカチャと揺れる音も響いてきます。さらに、キャラクターが頭の中で話している言葉は、より自分に近いところでこもった感じに言葉が聞こえます。
何せ市販の安イヤホン。当初は「ホンマかいな」と疑りながら観ていたものの、実際に立体的に聴こえてきた時はちょっと感動してしまいました。搭載するためにはそれなりにコストがかかるそうなので、どの作品にも入れる…というわけにはいかなさそうですが、これはぜひ積極的に進めていってほしい機能です。ご興味ある方はぜひ体感してみてください。
さて、最後に競馬恒例の予想。今週はフローラSです。本命はナガラフラワー。初戦は豪脚で一気に差し切り、2戦目のエルフィンSではのちの桜花賞2着馬クルミナルの2着。実力はこの中でも上位でしょう。前走は6着に敗れましたが、全馬が上がり3ハロン38秒台以上という特殊な馬場でした。良馬場で行われそうな今回は持ち味を生かせるはずです。