JRAが企画した「60周年記念競走メモリアルホースファン投票」なるものがあります。指定された10レースの歴代の勝ち馬の中で、最も印象深い馬を挙げていくというもの。
その指定されたレースの1つが、今週末行われる七夕賞です。そして、1位に選ばれたのがなんとツインターボ! 七夕賞と同日に「ツインターボカップ」が行われるというから、ファンにはたまりません。
10レースの1位に挙がっている馬はほとんどがG1馬であり、しかも2000年代の勝ち馬ばかり。90年代でも、97~98年の勝ち馬です。そんな中、G1馬でもない、しかも93年の勝ち馬であるツインターボが1位になっているのは異様にも映ります。
希代の大逃げ馬ツインターボ。もうだいぶ前なので詳細は覚えていませんが、ある雑誌で、「最強の逃げ馬はミホノブルボンかもしれないが、最高の逃げ馬はツインターボ」と話している人がいました。ツインターボ大好きの私も、この言葉には感銘を受けました。
スタートからエンジン全開の一人旅。逃げ切れるか、捕まるかは神のみぞ知る。オールカマーの圧勝と、有馬記念の逆噴射が、双璧で「ツインターボの代表レース」として語られるのが、その特性を如実に表していると思います。オールカマーは、実は大逃げしているツインターボが平均ペース。でも、後続の騎手に「ツインターボがあれだけ逃げているんだから超ハイペースに違いない」と錯覚を起こさせるような馬でした。小さい体にも関わらず凄い馬力で、抑えるのも難しかったようです。
2000年に行われたファンが選ぶ名馬100選企画でも、G1を勝っていないツインターボが91位にランクイン(G1勝ちナシでの100位入りは3頭だけ)。それだけ、競馬ファンの脳裏に強く焼き付いている個性派なのでしょう。何より、あれから20年も経っているのに、いまだに「七夕賞と言えばツインターボでしょ」という思いを皆が共有していることが嬉しいです。今週の七夕賞は、ツインターボに関連する(逃げ馬とか、大外枠とか)馬券を買ってみるもの手かもしれません。
余談ですが、こういう過去の名馬を振り返る系は競馬の心をくすぐる素晴らしい企画ですね。来週の土曜日には、函館競馬場にグラスワンダーとスペシャルウィークが登場するようです。時間と資金があれば駆けつけたい豪華な顔合わせです。