ビデオ(DVD、ブルーレイ)メーカーの、出荷段階の売上(消費者ベースではない)が毎月JVAから発表されます。
昨日、5月分の数字が出ましたが、月間売上は154億円で前年比85%と大きく減少してしまいました。この月は、毎回50万本以上売り上げる嵐の「アラフェス」DVDが発売されたのですが、それをもってしてもパッケージの売上減はカバーできず、衝撃の15%減。前年には『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』がリリースされているので、単純に比較はできないのですが、それでも嵐以外が頼りなさすぎです。
実は4月はもっとひどく、月間で144億円でした。これは前年比65%で目も当てられない結果。150億円を切る結果は近年記憶になく、JVAに調べてもらうと、まだDVDが普及する前の、98年(VHS主流時代)まで遡らないと同水準の売上月(98年4月が140億円)が出てきませんでした。
こんな状況なので、1月~5月の累計売上も、前年比で86%という落ち込みようです。ここ数年は、調子が悪いながらも音楽ライブ映像とアニメの好調に支えられ、全体では前年比数%減で推移してきたのですが、今年は再び急降下に転じており、先行きが不安です。
そんな心配をしていたら、『アナと雪の女王』で朗報が。6月の中旬に、予約受付からたった10日間で40万本の予約が入ったという記事を書きましたが、その後の状況を先日聞いてみたところ、ビックリするような本数の出荷を予定していることがわかりました。ちょっと聞いたことのないようなレベルで、劇場の興行収入と同様、売上本数も歴代ランキングの上位に顔を出すのは間違いありません。『アナ雪』の売上が計上される7月分の実績の発表が楽しみです。
『アナ雪』だけがヒットしても売上不振の根本的な解決にはなりませんが、それでもパッケージ業界(特に映画作品)にとって超久々の明るい話題であることは確か。もちろん、レンタルビデオ店に足を運ぶ人も増えるでしょうし、何とかこの機会を生かして、他の作品にも良い影響が出るような状況を作り出してもらいたいものです。