ビデオショップの店員が選ぶ映画大賞「ビデオ屋さん大賞」の結果が昨日発表されました。1位は、話題となったインド映画『きっと、うまくいく』。私の愛する『パシフィック・リム』も3位に入っていました。
この企画は今回で4回目。選ばれる作品の傾向も見えてきたと思います。第1位となった作品は、第1回から順に『サマーウォーズ』、『告白』、『ドライヴ』、『きっと、うまくいく』です。
いずれもヒット作品ですが、興行収入100億円を超えるような「メガヒット」作品じゃないところがミソ。「まあまあの認知度」「作品のクオリティが劇場公開時から話題となっていた」という点がポイントです。そして、大味なブロックバスター大作でもなく、かといって作家性の強い作品でもない。
あくまでエンターテイメントでありながら、ある程度「知る人ぞ知る」的な要素もある。見やすさと質の高さが共存した、非常に良い選出だと思います。私も記者になってたくさん映画を見るようになるまでは、キネ旬ベストテンや、新聞に載る評論家さんのベスト3のタイトルは知らない名前ばかりでした。
その点、ビデオ屋さん大賞の上位作品は、ライトな映画ファンにとってハードルが高くなく、身構えずに楽しく見ることができるタイトルばかり。実はこういう映画賞って意外と少ないような気がするので、非常に意義があると思います。
ビデオショップの店員の中にもライトな人とコアな人が混じり合っているのでしょうね。そのバランスが良くとれています。今回のベスト10でも、『最強のふたり』、『半沢直樹』、『おおかみこどもの雨と雪』、『キャビン』、『進撃の巨人』が並んでいますからね。ヒットの規模も作風も統一感がないですが、それぞれ面白い作品ばかりです。
これからレンタル店では「ビデオ屋さん大賞受賞作コーナー」が展開されていくと思いますが、まだ作品を観ていない方はぜひ参考にしてみてください。外れはないですよ。