iPhoneやiPadで、地上デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送の3波を、自宅だけでなく、無線LANの環境があれば外出先や海外でも視聴できる「エリアフリー 録画対応デジタルTVチューナー」((株)ピクセラ製)が、ソフトバンクBB(株)より1月25日より販売開始された。
外出先で録画番組の再生も可能。見たい番組をいつでも録画できる「予約録画」や「リモート予約」など、多彩な録画方法に対応。電子番組表や「ながら見モード」で直感的な操作を実現しているという。
この「エリアフリー 録画対応デジタルTVチューナー」は、昨年7月に発売した「録画対応デジタルTVチューナー」の上位モデル。その以前からも、外出先で視聴できるシステムが提供されているが、その最新機器として注目されている。
ソフトバンクBBでは、「SoftBank SELECTION(ソフトバンクセレクション)」というブランドで、スマートフォンやタブレット端末をより便利に、快適に活用できるモバイル周辺機器のラインアップの拡充を推し進めており、これもその一つ。
実際に手にしていないので、どの程度の視聴状態か、使い勝手などはなんとも言えないが、問題となった録画代行業者のサービスと違い、自宅内で放送を受信した上で、インターネット経由で外出先で視聴できるという画期的なものだ。
価格(オープン価格)は2万円以内のようだ。ソフトバンクショップや SoftBank SELECTIONオンラインショップ、取り扱っている家電量販店で購入できる。
ちなみに、録画するには外付けハードディスク(別売)が必要。動作確認済みの対応ハードディスクドライブは、SoftBank SELECTIONオンラインショップで公開しているので確認を。
また、デジタルTVチューナーが1台でも、複数のiPhone/iPadで利用できる。それぞれにアプリをインストールすればOK。ただし、いずれかのiPhone/iPadで視聴しているときは、他のiPhone/iPadで視聴は出来ない。
CATVの視聴については、デジタル放送のCATVで、配信方式がパススルー方式であれば視聴可能(トランスモジュレーション方式には未対応。またアナログ放送のCATVは視聴できない)。
デジタル放送のマルチチャンネルにも対応している。ただ、5.1chサラウンドの番組には対応していない。音声は2chに変換される。また、データ放送の表示には対応していない。データ放送専用チャンネルも表示できない。パソコン(Mac、Windows)では使用できない。
地デジはワンセグで外出先で見られるが、衛星波のBSやCSは通常それが出来なかった。個々の番組をVODサービスとして提供するのが一般的。その点、放送事業者側も外出先でも視聴できるサービスを求めていた。とくに無料放送のBS放送にとっては歓迎されるだろう。有料チャンネルながら解約防止にもつながる。一方で、そうしたサービスを別途有料として考えるものもあるが、視聴者・契約者サービスの一環として、ますますこうした展開が拡がりそうだ。通信キャリア系など他社も同種のサービスの提供を予定、検討している。
外出先でのWEB環境(高速&普及)は一層進むでしょう。集中アクセスの課題も回避され、放送波同様の安定感を維持できれば、コンテンツ供給における著作権等の諸課題はあるものの、インフラとしての放送と通信、その制度上においての区分けが取り払われるのはそう遠くないのかもしれない。
(戎 正治)