女性経営者の更なる成長をバックアップする「女性経営者共萌会(きょうほうかい)~五郎塾」が発足し問い合わせが殺到していると言う。
「五郎塾」は、文字通り元三井物産(株)副社長で森ビル(株)特別顧問の渡邊五郎氏が塾長を務める。理事長にはソニー・ミュージックエンタテインメントの代表取締役副社長やワーナーミュージック・ジャパン代表取締役会長、エイベックス・マーケティング代表取締役会長などを歴任し、現在はエイベックス・エンタテインメント(株)顧問を務める稲垣博司氏が就いた。
いつの時代でも “キャリアウーマン” とか “子育てしながら働く女性” などと言われ、男女雇用機会均等法など法改正、整備などで社会への女性進出は増々、増加し女性経営者は注目され、各方面で女性経営者のためのセミナーなどが催されるようになってきた。
しかも…特とも言うべきか、ここにきて女子サッカーの「なでしこジャパン」の目覚ましい活躍や、先ごろの「ロンドン五輪」では、日本がメダルに縁がなかった競技で、女子卓球の他、サッカー女子・アーチェリー女子・ウエイトリフティング女子などは史上初、バレーボール女子は28年ぶりにメダルを獲得するなど、女性の活躍が目立っていることもムードを高める様相になっているのかもしれない。そういったタイミングに合わせて発足されたのが「五郎塾」だった。
女性の活躍の場を一層広げ、また高め、ひいては日本の活力と国力向上のための「一翼の担う会」だと言う。同塾の描くビジョンについて理事長の稲垣氏は「1人、2人で起業する女性たちが増える昨今、この塾が女性起業家による事業拡大と成功の一助になることを目指していきたい」と説明している。
同塾の目的について尋ねると(1)志ある心を持った女性経営者の更なる成長を支援し、昨今の男性中心で、かつ低調な日本のリーダー層に新風を巻き起こす(2)経営責任者同士が集い、仲間をつくり、「社長」の迷い・悩みなどを同じ立場の女性同士で語り合い、分かち合って、明日への活力を再生してゆく場を提供する(3)塾長をはじめとする経験豊かなアドバイザーによる講演・相談・指導と会員相互による情報や意見の交換を礎として、会員各位の “気づき” の提供と “成長” をサポートしていく――としている。
同塾は意見交換、懇親会などを行う他、毎年4、9、11月の年3回「定例会」の開催を予定している。ここでは塾長他ゲストによる講演・ディスカッションなどを行うと言う。もちろん年末年始には忘年会や新年会なども予定しているし、会員自社の商材、新規事業の発表、会食を挟んでの意見交換会、さらにはサイト上での会員間コミュニケーションの醸成と、リアル活動との連携なども積極的に繰り広げていくと言う。
入会金2万円で年会費は1万円という、この種のものではリーズナブルな値段設定としているのも評判の一因か(定例会や懇親会、個別会への参加費は自己負担)。いずれにしても、同塾が女性経営者が新たなムーブメントになるのか…期待したいところである。
数年前だったか、憧れの女性経営者のNO.1がピーチジョンの野口美佳氏だった。正直言って、同氏が “憧れ” というのには驚かされたものだったが、それも、あるいは時代の流れだろう。そういえば、80年代に「兜町の風雲児」と呼ばれた元「投資ジャーナル」会長・中江滋樹との関係が発覚したことで芸能界を追われた元アイドル歌手・倉田まり子も現在は「坪田まり子」の名前で「プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー」として活躍中だと言われている。大学生向けビジネスマナー講演や講座、キャリアビジョン対応講演、講座、インターンシップ事前講座、秘書検定対策講座のほか、企業・自治体向けにはプレゼンテーション能力向上研修、顧客満足(CS)対応研修、営業力強化トレーニング、人材採用、育成コンサルティングなどを精力的に行っているという。
やはり、男性にはない視点をもった女性が社会に進出は時代の成熟度にもなってくるのかもしれない。そういった中で、今後、どういった女性経営者が注目を集めて来るのか注視していきたい。
(渡邉裕二)