シナリオ作家養成スクールの「シナリオ・センター」は、4月14日(土)と15日(日)の2日連続で「エンタテイメントにできること」と題したスペシャル公開講座を行う。東日本大震災から1年を経て “心の復興” について考えようというもの。ジャンルを越えエンタメ業界関係者の積極参加を呼びかけている。
同センターは、昨年3月11日の大震災発生後すぐ被災地支援に動いた。次代のエンタメの担い手を育成する立場から “創作の芽を絶やさない” を合言葉に、中長期的な方向性を模索。受講者がゼミで20枚シナリオ課題を1作書き上げると、学校側が100円を寄付するといった取り組みで、今年3月末までの義援金総額は169万7206円になっている。
今回の公開講座もこれらの一環。未曾有の災害を前に、創作に携わる者たちは何を考えどう動いたか。また、震災から1年を過ぎ支援ムードが薄れつつある中で、今後被災者の心を満たすため何ができるか。真正面から議論する。
1日目の14日は、映画とドラマの役割を考える。第1部ではアルタミラピクチャーズ代表の桝井省志プロデューサーに話を聞く。また第2部は、ジェームス三木、柏原寛司、清水有生、森治美、岡田惠和の著名脚本家5名で、パネルディスカッションを行う。
2日目の15日は、小説に焦点を当てる。第1部では、阪神大震災を題材にしたラジオドラマを手がけたことがある原田ひ香が語り、第2部では昨年の震災を受け「恋する原発」を書き下ろすなど精力的に活動する高橋源一郎が提言する。
小林幸恵シナリオ・センター代表は、開催にあたり「被災者の心の痛みを少しでも癒すには、物や金銭だけでなく文化や芸術が必要です。また、こうした国難において、戦中のように文化や芸術がないがしろにされてしまわないかといった不安もあります。被災者も支援者も創作することを忘れてはいけない、私たちはそう言い続けてきました。業界人はこの1年、右往左往して “エンタテインメントにできること” を考えてきました。ですが、大上段に構えて議論する場はありませんでした。本当は我々のような一企業が行うものでもないかもしれませんが、この公開講座が良い場となればと思います」と語っている。
14日は東京・表参道のホテルフロラシオン青山、15日は表参道のアイビーホールで開催。両日とも13時~17時。参加費は各日4000円。連日参加は7000円。収益は被災地に寄付される。
開催まで1週間を切り、残席わずか。申込みは電話(03‐3407‐6936)で受け付けている。
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