映画美学校は、アクターズ・コース初等科第1期生の修了公演を3月24日と25日に行う。舞台「カガクするココロ」を渋谷KINOHAUS一階の映画美学校アトリエで上演する。
劇団青年団の協力を受け、昨年5月に開設した同コース初年度の集大成となる。主任講師の平田オリザ作、講師の松井周が演出を手がける。岸田國士戯曲賞受賞者コンビのタッグで、士気あふれる1期生15人から“野蛮さ”を力強く引き出す。
映画美学校は1997年の開校以来、多数の映画関係者を輩出してきたが、俳優育成は昨年始めたばかり。新拠点・渋谷から、どんな俳優を輩出しようとしているのか。その実力に注目が集まる。上演後には、松井と俳優の山内健司、古館寛治による講師3人でのトークショーも行われる。観覧は1000円。
なお、春スタートの各コースで新年度生を募集中。アクターズ・コース初等科第2期は4月24日、脚本コース第2期初等科は4月26日に開講。昨年は校舎移転に伴い募集を停止していた映像翻訳講座は、映画映像翻訳講座として5月9日に再始動する。
松井周のコメント
映画でも演劇の世界でもまずは俳優としての「役割」をきちんと演じないことにはやっていけないと思います。つまり、演出家や監督が俳優にどんなことを求めているのかをつかむということです。さらに、俳優はその「役割」の仮面をつけながらもいや、つけてるからこそ無責任に放出できる野蛮さを持ち合わせていて欲しいなとも思います。アクターズ・コース一期生はこの一年間の授業を通してすでにそのレベルでの演技技術を身につけ始めています。となると、あとはマラソンのようなものです。例えば一時間半という上演時間内で「役割」を演じつつ、自分固有の野蛮さを保つという引き裂かれた状況を走り抜くわけです。観に来てくれた方に「あそこに私の知り合いが、というか、私がいる」と、錯覚してもらえたらこの企画は成功だと思います。ぜひご覧ください。
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