SKIPシティ「彩の国ビジュアルプラザ」(埼玉県川口市)が推進する若手映像クリエイター支援プログラム〈D‐MAP2011〉の対象監督は、応募21件の中から、書類・映像選考とプレゼンテーションを経て藤村享平さん(28)に決まった。藤村さんは、今後同プログラムの助成を受け、12月上旬より長編映画「バルーンリレー(仮)」の撮影に入る。来年3月にユナイテッド・シネマで公開予定。
〈D‐MAP(ディーマップ)〉は、数ある若手映像作家支援プログラムの中でも、作品製作だけに留まらず、大手シネコンのユナイテッド・シネマとの連携により、劇場公開まで一貫してサポートするのが特徴。才能発掘・育成だけでなく、確実に商業映画監督としてデビューさせることに重きを置いている。
過去には、2008年に「ソロコンテスト」(下條岳監督)が短編作品ながらユナイテッド・シネマ浦和、下北沢トリウッドで公開。2009年の「ネムリバ」(園田新監督)は埼玉県内のユナイテッド・シネマ5劇場でロードショーされ、好評を得た。
〈D-MAP〉作品の原案は、ユナイテッド・シネマ主催の「シネマプロットコンペティション」で広く一般公募されたもの。今回は、昨年度の同コンペでテーマ部門賞に選ばれた「バルーンリレー」(馬場大介さん原案)を映画化する。
メガホンをとる藤村さんは、1983年石川県生まれ。日本映画学校(現日本映画大学)17期卒業。2007年に脚本作「引きこもる女たち」が函館港イルミナシオン映画祭第11回シナリオ大賞でグランプリ。監督作「どん底の二歩くらい手前」と「アフロにした、暁には」が、2008年と2009年に2年連続でSKIPシティ国際Dシネマ映画祭短編コンペティション部門にノミネート。昨年はVIPOが実施する文化庁委託事業〈ndjc 若手映画作家育成プロジェクト〉で短編「逆転のシンデレラ」を監督。本作「バルーンリレー(仮)」が初の劇場公開作となる。
藤村享平さんのコメント
「20代のうちに長編を撮ることを目標としてきたので、大変うれしく思います。ぜひ皆さんの期待に応えて…と言いたいところですが、そんなことを考えていては、映画はつまらなくなってしまいます。やるからには人目を気にせず全力で、自分の感性を信じて貫くことが、監督としての責任であり、仕事だと認識しています。18歳で映画を志して、今年でちょうと10年になります、どんな作品が出来るのか、僕も楽しみです」
藤村さんが参加した「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2010」の連載記事
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