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京都造形芸大発「MADE IN JAPAN こらッ!」いざ全国へ世界へ

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京都造形芸大発「MADE IN JAPAN こらッ!」いざ全国へ世界へ

2011年09月27日

 京都造形芸術大学映画学科の学生と教員らが製作した映画「MADE IN JAPAN こらッ!」が、10月1日(土)より渋谷ユーロスペース他で全国順次公開される。配給・宣伝まで学生が携わり、京都での先行上映を経ていざ全国へ。名匠・高橋伴明監督作品とあって、メイド・イン・ジャパンの夢はさらに世界へと広がる。

 同学科は、2007年に開設されて以来、第一線で活躍する映画関係者が教員を務め、演出家をはじめ、技術スタッフ、プロデューサー、俳優まで幅広い人材を育成している。「MADE IN ~」でメガホンをとった高橋監督もまた、林海象監督らとともに教壇に立っている。

 自前のスタジオを擁し、東映、松竹に次ぐ“京都第3の撮影所”を志すだけに、学科開設からほどなくして、教育の現場から新趣向の商業映画を製作し劇場公開しようというプロジェクトが始まった。これらの動きは“北白川派映画芸術運動(北白川派)”と呼ばれ、2008年に第1弾「黄金花」(木村威夫監督)を全国に発信、以降アマチュアの学生とプロの教員が一体となり毎年1作品ずつ完成させている。

 「MADE IN~」は北白川派の第2作目で、2009年に出来上がった。一見普通に見える家族が、祖母の死をきっかけにとんでもない方向へと崩壊していく過程を描いた物語(84分)。脚本は、当時4年生だった和間千尋(わま・ちひろ)さんが手がけた。当初はゼミ発表用のシナリオだったというが、高橋監督が注目し映像化されることに。約1年間全17回もの改稿を経て書き下ろされた。

 一方、主演を任されたのは、当時1年生だった大西礼芳(おおにし・あやか)さん。ほぼ演技未経験だったが、オーディションで才能を開花させると、上級生を押しのけて大役を射止めた。劇中では、ダブル主演の松田美由紀らプロの俳優陣を相手に堂々の演技を披露している。他にも総勢50名の学生がスタッフやキャストとして奮闘した。

 完成から2年。学生の感性とプロの技術がぶつかって生まれた「ばちあたりな家族の話」(高橋監督)は、いよいよ学外に飛び出す。「作るだけが映画じゃない、観せるまでが映画である」という指導の下、配給や宣伝の作業にも学生たちが主体的に関わり、ユーロスペースでの公開の後は大阪・第七芸術劇場、名古屋シネマテークと巡回する。なお、北白川派の新作はすでに林監督作など2本が待機中で、来年以降の公開が予定されている。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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