この秋の注目作TBS「南極大陸」、極寒の北海道ロケ
2011年10月13日
この秋一番の注目ドラマは、やはりTBS「南極大陸」ではないか。TBS開局60周年記念の集大成、民放の“大河ドラマ”と謳うだけあって、木村拓哉、綾瀬はるかはじめ豪華キャスト、半年以上にわたる撮影・制作という大作だ。いよいよ今月16日(日)、日曜劇場枠でスタートする(初回は2時間5分スペシャル)。
原案は北村泰一「南極越冬隊タロジロの真実」(小学館刊)。昭和30年代、世界から「マネをする国」「敗戦国」とレッテルが貼られる中、「今こそ日本人の底力を見せよう」と一大プロジェクト“南極観測”に挑んだ南極越冬隊の物語。83年に高倉健主演で「南極物語」として映画化、日本映画の興行成績No.1を長年にわたり記録した大ヒット映画のドラマ版に、TBSが挑む。
他に共演は柴田恭兵、堺雅人、山本裕典、吉沢悠、岡田義徳、志賀廣太郎、川村陽介、ドロンズ石本、木村多江、芦田愛菜、佐藤隆太、渡瀬恒彦、寺島進、緒形直人、香川照之という豪華メンバー。プロデュースは石丸彰彦、伊與田英徳、山田康裕、演出福沢克雄、脚本いずみ吉紘。主題歌は中島みゆきがドラマのために書き下ろした「荒野より」。
TBSの一大プロジェクトであり、これだけの俳優とスタッフ等々揃え、視聴率低迷打破にかけている。今年2月北海道・根室でクランクインし、真冬の極寒の中、役者もスタッフも完全防備で過酷な撮影がスタートした。今月に完成予定。
一大ブームアップも図り、商品展開にも力が入る。ローソンとタイアップした新商品「ホワイトチョコラスクの山」が全国のローソンで放送初回の16日より発売される。他に、「南極大陸」オリジナルグッズとして、番組に登場する樺太犬のタロとジロのかわいいぬいぐるみやマスコットも販売、さらに南極観測船 宗谷第一次南極観測隊プラモデルが初回限定生産で販売される。
あらすじは、米ソ等の戦勝国を中心に設置された「国際地球観測年特別委員会」において未知の大陸「南極」観測が計画され、日本はアジア諸国で唯一参加を表明するが、敗戦国の日本に何が出来るかと世界から罵倒される。そして割り当てられた観測場所は“インアクセシブル・接近不可能”な場所。そこは氷点下50度、風速100メートルのブリザードが吹き荒れる最悪の場所で、日本は全く期待されていなかった…。
木村拓哉は第一次南極越冬隊副隊長で地質観測、犬ぞり担当の倉持岳志役を演じ、綾瀬はるかは倉持の亡き妻の妹役で、倉持を献身的に支え、密かに想いを寄せる。2人の行方や、南極を越冬した19頭の樺太犬の活躍も注目。
南極観測は、いわば日本の国際社会復帰の一大プロジェクト。震災を受けた被災地の惨状が敗戦地にも例えられる現代の日本と重ねて、命がけで挑んだ越冬隊の奮闘を通じて、復興と希望を見出すドラマに仕上がっていることを期待したい。
(戎 正治)