■ＬＡレポート：古くて新しい映画体験、A24の新戦略とは

【ロサンゼルス＝Mutsumi Lee】

　前回も取り上げた映画会社Ａ24が、この夏大胆な新戦略を実行した。その名はA24 Public Access。

　Public Accessは、6月下旬にA24のHPとSNSで告知されたが、詳しい説明はなく、様々な憶測が飛び交った。その後しばらくするとSNSで詳細が発表された。屋外上映を開催する日時と場所、上映作品についての告知であった。レディ・バード、ムーンライト、ウィッチ、ブリングリングなど、A24の取扱作品が合計6タイトル、つまり6回の上映会である。上映場所は作品とゆかりのある土地で、レディ・バードはサクラメント、ムーンライトはマイアミといった具合になっていた。参加費は無料。

　まずここまでの情報で興味深いのは、A24が映画ビジネスのハブとなるLAやNYではなく、地方へのマーケティング戦略に非常に熱心だということである。……

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