今開催は“エコ”をテーマに18日開幕
オープニング作品は「レッドクリフ Part1」
26日までの9日間に計315作品を上映
オープニングイベント (in六本木ヒルズ 10/18) 10月18日、「第21回東京国際映画祭」(TIFF)が開幕し、六本木ヒルズで盛大にオープニングイベントが開かれた。
今年のオープニングでは、約1万8000本にも及ぶペットボトルのリサイクルで作られた「グリーンカーペット」が敷かれ、今回のテーマである“エコ”をアピール。そしてイベントの幕開けには、映画祭大使の木村佳乃、トニー・レオン、グリーン・アンバサダーの杏が登場し、会場に詰め掛けた約8000人のファンからは大歓声が沸き起こった。その後「ブラインドネス」(配給:ギャガ)のフェルナンド・メイレレス監督、ジュリアン・ムーアなど、国内外から計51組311名の豪華キャストが登場。さらに、麻生太郎内閣総理大臣、二階俊博経済産業大臣もイベントに参加し、映画祭の開幕を鮮やかに彩った。
(左写真「ブラインドネス」のジュリアン・ムーア、木村佳乃/右写真「ブタがいた教室」の妻夫木聡)
(左「旭山動物園物語」のマキノ雅彦、中村靖日、前田愛/右、特別ゲストの別所哲也、長澤まさみ、平原綾香)
(左「ホームレス中学生」の小池徹平、池脇千鶴、田村裕、西野亮廣/右「特命係長 只野仁」の植田尚、高橋克典)
(左「少年メリケンサック」の宮﨑あおい、右、麻生太郎内閣総理大臣)
また、グリーンカーペットの最後には、オープニング作品「レッドクリフ Part1」(配給:東宝東和+エイベックス・エンタテインメント)のスタッフ・キャストが勢ぞろい。ジョン・ウー監督は、「『レッドクリフ』はどなたも知っている『三国志』の物語。観て頂ければエキサイティングできると思います。この映画のテーマは『友情』『願い』『勇気』。この3つはどんな時代にも必要とするものです」と作品をアピールした。
(全文は10月21日付【文化通信速報映画版】に掲載)
コンペティション部門審査委員記者会見 (in六本木ヒルズ 10/20) 20日にはコンペティション部門審査員記者会見がムービーカフェで行われ、ジョン・ヴォイト審査委員長、審査委員のマイケル・グラスコフ、フォ・ジェンチー、セザール・シャローン、檀ふみ、高田宏治の6氏が出席。挨拶したヴォイト氏は、「審査委員の私たちは皆、深い知識と経験を持って集まっている。私たちが一緒なら、素晴らしい仕事ができると思う」と作品選定に自信を覗かせた。
また今回審査委員長を引き受けた理由については、「『東京国際映画祭』のオルガナイザーは、本当に映画作りを愛している人たちだと噂に聞いていた。また、依田さんからお電話頂き、お会いできることがわかった時点で引き受けることを決めた。そしてもう一つの理由として、『東京』という友達に再会できるという点でも、このご招待は受けるべきだと考えた」と説明。さらに、オープニング作品の「レッドクリフ Part1」の感想について求められると、「昔、『DELIVERANCE』(邦題:「脱出」)という映画を作った時、試写会に両親が来た。上映後に感想を聞くと、父親に『やったぜ!これは大ヒットするぞ!』と言われた。これと同じことをジョン・ウー監督にも言いたいね」と作品に太鼓判を押した。
特別招待作品「ブラインドネス」来日記者会見 (in六本木ヒルズ 10/20) ギャガ・コミュニケーションズ配給「ブラインドネス」に主演のジュリアン・ムーア初来日に伴い20日昼、現在「第21回東京国際映画祭」が開催中の東京・六本木アカデミーヒルズ49階・タワーホールで記者会見が行われ、共演の伊勢谷友介、木村佳乃、フェルナンド・メイレレス監督、脚本家のドン・マッケラー、製作のニヴ・フィッチマンと酒井園子も登壇した。同映画祭特別招待作品。11月22日(土)より丸の内プラゼール他で全国ロードショー。
なお、会見には、日本を代表する国技・相撲部屋から芝田山親方(第62代横綱・大乃国)が特別ゲストとして登場。スイーツ大使とも呼ばれる親方が、本作の大ヒットを祈願して、ジュリアン・ムーアにお饅頭を手渡し、鏡割りも行った。
(全文は10月21日付【文化通信速報映画版】に掲載)
TIFFCOM関連企画
TPGネットワーキングレセプション (in六本木ヒルズ 10/21) 現在開催中の「第21回東京国際映画祭」併設、今年で5年目を迎えるエンタテインメント・コンテンツ・ビジネスマーケット「TIFFCOM2008」が、本日22日(水)から24日(金)まで六本木ヒルズで開催されているが、関連企画の一つ「TPG(Tokyo Project Gathering)2008」のネットワーキングレセプションが21日昼、六本木アカデミーヒルズで開催された。
TPGは、今年で4回目を迎える映像コンテンツの国際共同製作・共同出資を目的とした企画マーケット。今年は34企画が選ばれ、世界的に有名な監督やプロデューサーの作品も多数出品されている。レセプションは、TPG出品者を中心に映画業界、音楽業界、芸能事務所、投資家、そして海外からの招待客と来場者間のネットワーキングを目的として行われた。冒頭に34企画が順番に紹介され、企画ごとにプロデューサーや監督が登壇して挨拶。そして、しばしの歓談の後、今回、企画「蜜のあわれ(仮題)」を出品している鈴木清順監督が特別ゲストとして登壇すると、場内から拍手が沸き起こった。
清順監督(1923年生)は、「東京国際映画祭の中でも、このTPGはお金が右から左へ出たり入ったりする企画マーケット。監督というものは、一にもニにも体力で、後はちょっとだけ知力がいる。私はもうこのように酸素ボンベを持ち歩いており、嗅覚、味覚、耳も目も悪く、膝も肘も痛くて、いつも手がしびれている状態ですが、この老監督に大金を賭けてみようという方は声をかけて下さい!」と挨拶し会場を盛り上げ、健在ぶりをアピールした。「蜜のあわれ(仮題)」は、室生犀星の同名小説が原作。老作家と人間の娘の姿に変幻する金魚との間に交わされる、時に艶かしく時に人生の機微に富んだ会話を中心に展開する変幻自在な物語。清順監督はこの作品の映画化を永年願い続けてきたという。
日本の企画には他に、セシリア亜美 北島監督・脚本「どこ吹く風」、新垣善広監督・脚本「泡盛のかおり(仮題)」、永津愛子監督・脚本「アポトシス」、大谷健太郎監督「通天閣」、円谷プロダクション制作「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル 各国向けバージョン」、さらに「動物かんきょう会議」、「ハコイヌ」などが出品されている。TPGビジネスミーティングは24日まで。優れた企画が集まるTPGで、プロデューサーや監督たちとのビジネス促進が期待される。
natural TIFF supported by TOYOTA
「フェデリコ親父とサクラの木」ティーチイン (in六本木ヒルズ 10/21) 第21回東京国際映画祭、natural TIFF supported by TOYOTA部門作品の「フェデリコ親父とサクラの木」(スペイン作品)が21日午後、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、ホセ・アントニオ・ロキス監督、製作総指揮のロリス・オメデス氏が上映後にティーチインを行った。
本作は、自然を愛し、公害に反対する村人たちを描いたナチュラル系のんびりコメディ。原題は「Ashes from the Sky」だが、監督は邦題について「これもとても気に入っている」と満足の様子。さらに、京都議定書がいつか村を救うと信じて疑わないフェデリコ親父が、近所に生まれた子牛にキョートと名付けていることから、「原題の案の一つに『キョート』もあったんだ」とユニークなエピソードも披露した。
(全文は10月22日付【文化通信速報映画版】に掲載)
コンペティション部門
「オーシャン」記者会見 (in六本木ヒルズ 10/21) コンペティション部門「オーシャン」(ロシア=キューバ合作)の記者会見が21日午後、六本木ヒルズのムービーカフェで行われ、ミハイル・コズィリョフ・ネステロフ監督が出席した。
キューバで漁師をする貧しい家庭の長男ホエルは、少女マリセルと恋に落ちるが、少女の家族に反対されてしまう。ホエルは新たな人生を求めてハバナへと旅立つ。そこで彼は全く違う環境で育った人々と出会い、彼らの助力を得てボクシングのチャンピオンになるが、マリセルとの再会は彼の人生を悲劇に陥れる。もはや彼を救うのは海だけだった―。ロシア人のミハイル監督は、本作をキューバで撮影した経緯について「ロシアは、昔とは人間関係が変わってしまって、私が描きたい家族の関係性は残っていない。しかしキューバにはそれがある。もしこの作品をロシアで撮ると、暗い映画になってしまったと思う」と話した。
(全文は10月22日付【文化通信速報映画版】に掲載)