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株式会社KADOKAWA、
角川書店など9社を吸収合併し今後の映画事業は!?

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株式会社KADOKAWA、
角川書店など9社を吸収合併し今後の映画事業は!?

2013年10月11日
 ここ数年のカドカワグループは、いったい何を目指し、どこに進もうとしているのだろうかと思う程、その組織体制をめまぐるしく変貌させている。

 今秋10月1日付で、前ホールディング会社の(株)KADOKAWAが、(株)角川書店をはじめ(株)アスキー・メディアワークス、(株)角川学芸出版など連結子会社9社を吸収合併、新生(株)KADOKAWAをスタートさせた。「合併後においても出版事業各社が既存の組織概念にとらわれることなく、自由に事業を展開、発展させていくため、“角川書店”など9社の社名はブランドカンパニーとしてそれぞれ残す。」と、今回の合併について同社では説明しているが、その変貌ぶりはまず本社から見てみよう。

 角川書店は1945年(昭和20年)11月に国文学者の角川源義氏が設立。2003年4月1日持株会社に移行し、社名を(株)角川ホールディングスに変更。(2006年7月1日付で角川グループホールディングスに改称)、同日付で事業会社「(株)角川書店」を設立(後に営業・販売部門の「角川グループ・パブリッシング」を分社化)、今年4月1日付でその(株)角川グループ・パブリッシングを吸収合併し、10年継続した持株会社を廃止、事業会社に移行し、さらに6月22日付で社名を「(株)KADOKAWA」に改称した。

 それでは、同グループの映画の歴史を振り返ってみよう。1976年、二代目社長・角川春樹氏が『犬神家の一族』(監督市川崑)を製作し、映画業界に進出。その後、1993年角川歴彦氏が三代目社長に就き、『失楽園』('97)等を製作。2002年9月1日付で大映の営業権を買収し、「角川大映映画(株)」(同年11月1日付)を設立、初代社長に黒井和男氏が就任。以後グループ映像事業は同社が中心となり展開していく。2004年4月1日に角川書店のエンタテインメント部門、2006年3月1日に角川ヘラルド・ピクチャーズ、2009年11月1日に角川エンタテインメントをそれぞれ吸収合併(07年3月1日付で社名を角川映画(株)に改称)し、そして2011年1月1日付で出版事業と映像事業の融合を目指し(株)角川書店が角川映画(株)を吸収合併、今日に至った。

 角川大映撮影所は、今年4月1日付で「(株)角川大映スタジオ」として分社化、グループ再編の流れから外れ独立性が保持された。

 前述の通り、角川書店はブランドカンパニーとして残り、配給ブランド「角川映画」の存続も決まっており、同社の映画・映像事業は出版事業との融合がさらに強化されつつ展開していく方向である。

(取締役会長:指田 洋)

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