TOHOシネマズ、高校生入場料金1000円を実施
SMT、T・ジョイもキャンペーン展開で観客増につながるか?!
2013年07月08日
映画業界では、毎年の大きな目標として年間映画人口2億人突破を掲げているが、ここ数年、1億7千万人前後に止まっているのが現状である。
その要因として、高校生と30代の映画離れが顕著なことが指摘されている。
かつて、その対策の一環として「映画館に行こう!」実行委員会が、高校生友情プライスと題して高校生3人で入場料金1000円という割引キャンペーンを実施した。が、さほど効果がみられず、3年前に中止にしているが、今年、大手興行会社が相次いで高校生の入場料金1000円という施策をスタートさせた。
その先駆けとなったのが業界大手のTOHOシネマズ。今年6月1日より、お台場シネマメディアージュと同社直営の全国58劇場(サイト)で、高校生の基本入場料金を1500円から1000円に改定し、踏み切った。
同社では、「今回の鑑賞料金改定により、若者の映画ファンを育成し、将来の映画人口の増加に貢献していく」と説明している。
松竹マルチプレックスシアターズ(略称:SMT)では、6月29日(土)から10月31日(木)までの期間限定で、高校生が1000円で映画鑑賞できる「高校生1000円キャンペーン」を開始した。新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー、神戸国際松竹、東劇、なんばパークスシネマ、大阪ステーションシティシネマと全国のMOVIX劇場が対象。
同社では、2014年4月以降の消費税導入を踏まえ、発足以来継続してきたMOVIX Club CARDの見直しを計画しており、今回のキャンペーンの結果も料金改定の参考にする考え。
ティ・ジョイでは、梅田ブルク7リニューアル記念イベントの一環で、高校生が1000円で鑑賞できる「高校生割引キャンペーン」を7月6日(土)から10月31日(木)まで実施する。
「映画館に行こう!~」が実施した高校生友情プライスが、“夫婦50割”や“レディスデイ”ほど浸透しなかった要因として、“3人揃えば” ということがネックになり、継続できなかったはずである。
入場料金を下げることだけが、観客増に繋がるというものでは決してないであろうが、3社の取り組みが成功することを期待したいものである。
(取締役会長:指田 洋)