今年5月28日の定時株主総会で常務取締役映像本部長に就任し、映像部門の責任者に就いた松竹の大角正常務取締役が、映像部門の改革に着手した。
その第1弾として大角氏が担当する2つの部署(「映像ライツ部」「映像商品部」)を廃止、新たに「メディア事業部」を設置した。
今回の機構改革の大きな主眼は、従来「映像商品部」で扱っていたシネマ歌舞伎を除くODS(非映画コンテンツ)作品の本数を拡大し、ビデオ(DVD/ブルーレイ)発売作品を確保することと配信も積極的に展開する。このために、組織をスピーディに機能的に図る狙いから2つの部署を統合・廃止し、大きな「メディア事業部」を発足させたものだ。
「メディア事業部」(事業部長:大角正常務取締役映像本部長)は、「コンテンツ開発室」(「戦略課」「開発課」)「コンテンツ宣伝室」(「製作管理課」「宣伝促進課」)「コンテンツ営業室」(「営業課」「国内版権課」「海外版権課」)の3室8課から構成される。
「コンテンツ開発室」(室長:森口和則)は、ODS作品を含む小規模な映画・映像・アニメ作品の企画開発から調達・外画の買付けまでを行う。「コンテンツ宣伝室」(室長:井川透)は、同部が扱うODS及びビデオ作品の宣伝を行う。「コンテンツ営業室」(室長:松倉浩二)は、「~開発室」で調達したODS作品及びビデオ作品、さらに松竹が保有する映画・映像作品の国内外への営業・販売を行う。さらに「営業課」ではブロードバンド配信も手掛ける。
同社ではかつて2006年10月末に “部門最適から全体最適へ” をスローガンに映画・映像部門全体を網羅する「編成局」を設置した経緯がある。ある一定の成果は得られたものの数年で廃止されている。
今回の「メディア~」が果たしてどうなるのか、結果が出るのは1年後、2年後となろうが、その後の映像部門の改革と合わせ、注目される。
(取締役会長:指田 洋)