東日本大震災の影響で公開が延期になっていた映画『唐山大地震』が、4年の時を経てとうとう公開されることになりました。2015年3月14日より東劇ほかで全国ロードショーです。
もともとは2011年3月26日に公開予定でした。ところが、1ヵ月前の2月22日にニュージーランドのクライストチャーチで大地震が起き、配給元の松竹は公開の是非を検討しました。結局、募金活動を通じて被災者支援するなどし、公開は予定通り行う運びとなりました。
しかし、程なくして3月11日に大震災が発生。この時は多くの映画が公開延期・中止に追い込まれました。なかでも、地震を扱った『唐山大地震』はとても映画館で上映できる状況ではなく、松竹は震災翌日に延期を即決しました。
延期された作品がしばらくして公開、もしくはDVDで発売される中、『唐山大地震』の予定は全く聞こえてきません。1年後に松竹の大角常務に取材させてもらった時も、「何らかの形で映画ファンにご覧頂く」という話はあったものの、具体的な時期、公開形態については未定のままでした。
それだけに、4年経ち、いよいよ公開されるという一報には感慨深いものがありました。あえて3・11の近くに公開日を設定したことも、素晴らしい決断だと思います。
作品は、地震をいたずらに扱ったディザスターパニック映画ではありません。中国で実際に起きた大地震により引き裂かれてしまった家族が、32年を経て再会するという感動のドラマです。私も震災発生前に試写会で観ましたが、非常に良い映画です。むしろ、震災があったからこそ公開するべき映画だとさえ思っていました。
あの時発行していた前売券は、今回の公開時にも使えるそうです。待っていた方も、初めて知ったという方も、ぜひご覧ください。