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東映『ふしぎな~』モントリオール受賞で社会現象化、東映社内も一変

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東映『ふしぎな~』モントリオール受賞で社会現象化、東映社内も一変

2014年09月05日

 第38回モントリオール世界映画祭(8月21日~9月1日)で審査員特別賞グランプリ&エキュメニカル審査員賞をダブル受賞した東映『ふしぎな岬の物語』(監督成島出/10月11日公開)が、社会現象化する盛り上がりを見せている。

 受賞が発表された2日(現地時間1日)、各テレビ局や新聞は大きく報道、特に東京新聞(3日付朝刊)は1面トップで掲載した。映画の舞台となった千葉県鋸南町の明鐘岬にある小さな喫茶店「岬」には受賞を祝福する電話や常連客が数多く訪れ、吉永さん演じる喫茶店のマスターのモデルとなった玉木節子さんが応対した。映画の公式サイト(http://www.misaki-cafe.jp)及び東映ホームページ(http://www.toei.co.jp)は受賞発表直後からアクセスが殺到、通常の10倍に達した。映画の原作となった「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫刊)はもともと数十万部を超えるベストセラーとなっていたが、受賞を知った各書店では平積みされ、売れ行きに拍車がかかった。また、各劇場には「いつから上映するのか」等々の問合せが殺到、劇場前売券(一般1400円)の売れ行きも急上昇した。『北のカナリアたち』(興収14億円)など吉永主演作品の観客層はシニア層が中心で、あまり前売券は売れないのがほとんどだった。

 今回『ふしぎ~』が受賞した審査員特別賞グランプリは、同映画祭ではグランプリに次ぐ2番目の賞で、通常大きく報道されることはないが、日本を代表する女優・吉永小百合が主演を兼ねて初プロデュースした作品だったことが大きくアピールした。

 そして、なによりこの受賞で一変したのが東映本社の雰囲気が明るくなったことである。今年の同社でヒットした一般実写映画は『相棒‐劇場版III‐巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』(興収21億4千万円)のみで、他はほとんどの作品が興収5億円を下回る惨敗となっていた。『ドラえもん3D』や『ホットロード』『ルパン三世』が大ヒットする邦画界の中で、「うちだけが取り残されている」と同社のある役員が嘆くほどだったが、今回の受賞による盛り上がりで、9月6日公開の『イン・ザ・ヒーロー』(監督武正晴/唐沢寿明主演)から好成績につなげていってほしいものである。

(取締役会長:指田 洋)

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