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【大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.151】
「土竜の唄~」、どこへ行くのか生田斗真よ

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【大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.151】
「土竜の唄~」、どこへ行くのか生田斗真よ

2014年02月19日

 生田斗真が、演技、興行双方で好調である。「土竜の唄 潜入捜査官 REIJI」が、ヒットスタートを見せた。2月15、16日の2日間で、全国動員20万9935人・興収2億8220万7700円を記録した。素っ裸に近い恰好で車に括りつけられた冒頭から、破竹の勢いであり、まあ派手にやってくれた。まさに、彼の新境地だろう。

 何でもできるのではなく、何にでも挑戦する俳優なのだと思う。その気持ちがすごく伝わってくる演技であった。今でも彼の代表作である「人間失格」については、このコラムでも指摘しているが、ここまで演技が弾けてくるとは、なかなか予想できることではなかった。いい機会なので、彼の主演作の興行成績を以下、まとめてみた。

▽「ハナミズキ」(10年8月)=興収28億3千万円
▽「僕等がいた 前篇」(12年3月)=25億2千万円
▽「僕等がいた 後篇」(12年4月)=17億2千万円
▽「源氏物語 千年の謎」(11年12月)=14億8千万円
▽「脳男」(13年2月)=12億7千万円

 「土竜の唄~」は、「僕らがいた 後篇」前後か、それを上回る可能性がある。「人間失格」から数えて、「土竜の唄~」まで7本。突出はしていないが、安定感は抜群である。とくにほぼ毎年、ヒット作が登場しているのは、特筆していい。これが、生田斗真の現時点における主演作における興行の力だと言える。

 演技の幅は確かに広いが、生田は決して器用な俳優には見えない。「土竜の唄~」でも、さきに記したように、挑戦の度量が非常に大きいと感じた。チャレンジ精神が、とても強い男なのではないか。表面的にはハングリーに見えなくても、心の奥で燃え盛っている演技への炎は、とても激しいものがある気がする。それが、演技の幅の広さに通じるように見える。

 ジャニーズ事務所所属の俳優のなかで、異彩を放ちつつある。これは、日本映画界にとっても、非常にいいことである。生田斗真で、企画が立てられるからだ。それも、生半可な企画ではない。これまで前例のないような未知の領域の作品が、生田によって可能になる可能性が出てくるのだ。

 どこへ行くのか、どこへ行ってしまうのか、生田斗真。これは、ファンはもちろん、ファンならずとも、大いに気になることには違いない。

(大高宏雄)

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