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映連「2013年 新年記者発表会」、各社社長挨拶

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映連「2013年 新年記者発表会」、各社社長挨拶

2013年02月22日

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 1月30日に行われた一般社団法人 日本映画製作者連盟(映連)による「2013年 新年記者発表会」で、平成24年全国映画概況が発表された。
 興行収入は前年比107・7%の1951億円、入場人員は前年比107・2%の1億5515万人と、東日本大震災の影響を受けた11年から回復を見せた。邦画のシェアは65・7%となり、興収発表となった2000年以降で過去最高となった。
 ただ、全国のスクリーン数は前年より49スクリーン減の3290スクリーンで、2年連続で減少した。そこで語られた松竹、東宝、東映、角川書店の各社社長による昨年の総括及び今年の抱負などのコメントを掲載する。

(※写真左から迫本松竹社長、島谷東宝社長、大谷映連代表理事、岡田東映社長、井上角川書店社長)



今後も自社企画映画を推進していく指針に

★迫本淳一・松竹社長
P1210880.JPG 昨年、当社は16本の作品を配給した。自社企画作品では『おかえり、はやぶさ』、『わが母の記』を公開。他社幹事企画では、『LOVE まさお君が行く!』、『ひみつのアッコちゃん』、『天地明察』、『黄金を抱いて翔べ』、『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』などを公開。
 アニメでは、一昨年の12月からヒットした『映画 けいおん!』に続いて、『劇場版BLOOD‐C The Last Dark』、『劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女』、『劇場版 TIGER&BUNNY‐The Beginning』、『ねらわれた学園』など、アニメファン向けに公開し、春休みにはファミリーターゲットで『ウルトラマンサーガ』を公開した。
 洋画では、アメリカの大統領選の裏側を描いた『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』、秋に『エクスペンダブルズ2』、リュック・ベッソンの『ロックアウト』を公開した。全体として、我が社は興行的に期待に届かなかった作品が多かった。

 昨年は非常に邦画のシェアが大きくなった中で、東宝さんや東映さん、アニメのように、貢献度が大きかった会社さんに比べ、反省すべき点が多かったと考えている。今年からさらに気を引き締めて、貢献できるように頑張りたい。
 そんな中で自社企画の『わが母の記』が、モントリオール映画祭で審査員特別グランプリ受賞や、日本アカデミー賞で優秀賞12部門を受賞するなど、作品としてのクオリティと興行的な成功を両立させることが出来たことは、我が社にとって収穫でもあり、今後も自社企画映画を推進していく上での指針になると考えている。

 今年のラインナップは、1月12日より『渾身』を公開。そして、山田洋次監督『東京家族』が1月19日より公開となった。世界の映画監督が選ぶ最も優れた映画というのが10年に一度行われるが、その第一位に選ばれた小津安二郎監督『東京物語』をモチーフに、半世紀にわたってその時代時代の家族を描き続けた山田監督が、東日本大震災があって、公開を延期して、きちんと描きたいということで公開に至った作品。お陰さまでスタートは順調。この興行がさらに長く続くように頑張ってまいりたい。

 2月8日には『ゴーストライダー2』を公開。前作ファンを中心に、さらに迫力あるアクションシーンと、主演はニコラス・ケイジで、今まで以上に満足して頂けるように頑張っていきたい。また、2月9日には『スタードライバーTHE MOVIE』を公開。青春の謳歌という濃密なドラマと、迫力のロボットアクションをお楽しみ頂きたい。
 そして、3月16日には山田洋次監督共同脚本、助監督を20年務めてきた平松恵美子監督が初演出となる『ひまわりと子犬の7日間』を公開。女性緒監督で、松竹の監督として我々も期待している。映画の出来も良く、出演は堺雅人さん、中谷美紀さん。
3月30日には、関西ジャニーズJr.と松竹が贈る青春エンターテインメント『関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲!』を公開。この作品は、特別出演として歌舞伎界から中村獅童さんも登場する予定。監督は、『ゲゲゲの鬼太郎』や『おかえり、はやぶさ』の当社監督の本木克英くん。

歌舞伎を中心とした日本文化の発信拠点に

 4月13日には、三浦しおんさん原作の『舟を編む』を若手監督の石井裕也監督が演出。出演は松田龍平さんと宮﨑あおいさん。4月27日にはアーノルド・シュワルツェネッガーが映画完全復帰10年ぶりという『ラストスタンド』を公開。大変評価の高い監督のキム・ジウンが初めてアメリカ映画のメガホンをとった作品でもある。また、アカデミー賞受賞俳優のフォレスト・ウィテカーも出演し、作品を盛り上げている。先日のジャンケットでもシュワルツェネッガーが来日を予告するような発言もしており、すでに話題となっている。
 そして5月には、『リング』から15年、世界の中田秀夫監督が久々に贈るホラー映画の集大成となる『クロユリ団地』を公開。出演は昨年AKB48を卒業した前田敦子さん、そして演技派の成宮寛貴さんを迎え、第二のホラーブームの到来が来ればと思っている。

 また、6月1日には、木下恵介生誕100周年というのをやっているが、その一環として日本を代表するアニメ監督の原恵一さんが、初めて実写映画を手掛ける『はじまりのみち』を公開。原監督は大変、木下監督のことを敬愛しており、原監督自らが脚本を執筆した。木下恵介生誕100年記念プロジェクトは、小豆島や浜松市との共同で、様々なプロジェクトが、カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンの三大映画祭、全てのクラシック部門で上映された。その集大成ということでこの映画を公開したい。出演は加瀬亮さん、田中裕子さん、ユースケ・サンタマリアさん、濱田岳さんで、木下監督自身の母と子の愛についてのエピソードを盛り込んだ作品になるので、ご期待頂きたい。6月15日には人気漫画の映画化で、『俺はまだ本気出してないだけ』を、主演に堤真一さん、監督・脚本を福田雄一さんで贈る。

 そして、夏にはハリウッド映画の『終戦のエンペラー』を公開する。これは日本がテーマになっているが、1945年の終戦直後の日本を舞台に、マッカーサー元帥が命じた極秘調査を描くという話題作。マッカーサー元帥をトミー・リー・ジョーンズが演じ、その他に日本人キャストも西田敏行さん、初音映莉子さんをはじめ、歌舞伎界からも片岡考太郎さんが出演。『ハンニバル・ライジング』などのピーター・ウェーバー監督が手掛ける歴史的超大作になると思っている。

 秋には昨年ヒットした『劇場版TIGER&BUNNY』 の第二弾を公開。日本のみならず世界中にファンが多い、桂正和さんが引き続きキャラクター原案とヒーローデザインを手がける。もう一本秋にロードショーの作品として、自社企画で『武士の献立』がある。出演者は上戸彩さん、高良健吾さんで、監督は社内監督である朝原雄三くん。前に公開させて頂いた『武士の家計簿』がヒットして、それに続き江戸時代の加賀藩に仕える実在した料理専門の侍、船木家の夫婦の愛情物語を描く時代劇。

 さらに2013年以降公開予定で、山田洋次監督が『小さいおうち』の製作に取り組む予定。山田監督の今までと違った恋愛映画になるのではないかと思い大変期待している。その他、毎年伝えているODSコンテンツだが、我が社はシネマ歌舞伎とMETライブビューイングに取り組んでおり、これが定着しファンが増えている。METライブビューイングで新シーズンも始まり、アンコール上映も大変好評。また一方、シネマ歌舞伎も今年は全作品アンコール上映や月一歌舞伎といった企画も用意している。

 最後に、今年4月2日に3年間の建て替え工事を経て歌舞伎座がいよいよ開場する。新しい歌舞伎座を作ろうというのは我が社の悲願でもあって、いろいろな方にご協力頂いて開場できることに感謝したい。新しい歌舞伎座は、歌舞伎座タワーとオフィスビルと一体となった複合施設。ここを銀座歌舞伎座と表現して、歌舞伎を中心とした日本文化の発信拠点とし、歌舞伎や演劇ファンのすそ野を広げていきたい。また、ビルと一体となって銀座のランドマークとして、銀座のさらなる発展にも貢献していければと考えている。

※島谷能成・東宝社長の挨拶は次のページへ


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