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映連「2013年 新年記者発表会」、各社社長挨拶

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映連「2013年 新年記者発表会」、各社社長挨拶

2013年02月22日

各社様のノウハウで作品の特色を引き出す

▼井上伸一郎・角川書店社長
P1210864.JPG 角川書店は、企業の再建と収益向上を目指して取り組んできた。お陰様で実写映像部門はV字回復をすることが出来て、今期は予算を大幅超過して達成できる見込み。映像とのメディアミックスにとどまらず、様々な取り組みにチャレンジしてきたが、書店店頭からの映画の情報発信はもちろん、ニコニコ生放送など、新しい媒体での配信ビジネスやイベントなど話題作りにも努めてきた。

 12年の特徴は大きく二つ。一つ目は本格的な3D映画にチャレンジした。昨年5月に公開した『貞子3D』はお陰様で大ヒットし、『リング』の続編ということで久々に過去のコンテンツを掘り起こしたが、今の中高生を中心とした若いファンに大変好評だった。3D本来の飛び出すところに着目して、お陰様で13・5億円のヒットを記録した。こちらは逆に宣伝にお金をかけずに、貞子というキャラクターを立たせて、街で、野球場で、いろんなところで貞子のキャラクター化に努めた。その結果、貞子というキャラクターが復活し、海外でも売れた。キャラクターの強みというのを今後も生かしていきたい。

 二つ目は、映連の各社様との共同配給や配給をお願いするパターンの実施を行った。8月に公開した『アナザー』は東宝様に配給して頂き、これも中高生へ向けた夏休み映画として好評を頂けた。特にローカルを中心に学生同士の友達、グループの動員を促進できたことは、東宝様のお力。
 6月に公開した『愛と誠』は東映様との取り組みで、過去の大ベストセラーコミックの実写映画化を三池崇史監督に作って頂き、歌と踊りとアクションで作品の楽しさをアピール。アクションものに強い東映様の配給の成果と思っている。
 また、10月に公開した『天地明察』は、松竹様との取り組みで、冲方丁のベストセラー小説をアカデミー賞監督、滝田洋二郎監督によって映像化。本格的な時代劇と新しい感覚をミックスし、美しい映像を作ることが出来たのも松竹京都撮影所の高い技術によるものと感謝している。
 各社様の培ってこられたノウハウによって作品の特色を上手く引き出して頂き、展開して頂いたのも昨年の成果であると思っている。今後も作品に応じて、各社様との共同配給など、取り組みをさせて頂きたい。

 今年から来年にかけて製作する作品は、まず歴史本が空前のベストセラーとなった「体脂肪計タニタの社員食堂」。本作は社員の健康維持のために作った社員食堂がヘルシーで美味しいレシピを作ったという実話をもとに大胆な脚色を加えてお届けする。監督は李闘士男監督。主人公には自身がヘルシーなレシピ本やエクササイズ本を出されている優香さんにお願いをしている。この楽しいコメディ映画にご期待頂きたい。今年の初夏に公開する予定。

角川大映設立し制作受注をより積極的に行う

 また、『貞子3D』の続編も今年の夏公開予定で現在準備に入っている。前作に引き続き、鈴木光司先生の描き下ろしの原作をもとに、英勉監督がメガホンをとり、新しい3D映画、さらに怖く面白い映画を作って参りたい。他にも企画製作を予定している作品があるが、現場の方から話すなと言われていて、以上2作を邦画の方は発表させて頂く。

 洋画の方は、昨年『トワイライト』シリーズの最後の作品『ブレイキング・ドーン Part2』や『ハンガーゲーム』など、ヤング・アダルトターゲット向け作品のフランチャイズを行った。そして、ウディ・アレン作品や良質な作品を角川シネマ有楽町を中心に公開し、中高年の映画ファンに好評を頂いている。
 また、隠れたヒット作ということで、昨年はボブ・マーリーの音楽映画『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』を単館系で上映したが、今年も2月9日より『大人の音楽映画祭』と称し、13本の音楽映画を角川シネマ有楽町で連続公開など、新しい企画も用意している。音楽映画は非常にDVDの販売が好調で、隠れたヒットとなっている。

 従来力を入れてきたアニメは、昨年は『ストライクウィッチーズ劇場版』、『図書館戦争』を公開。『図書館戦争』は今年東宝様で実写映画も公開される予定。あと、昨年11月に公開した『花の詩女 ゴティックメード』がアニメファンに広くアピールした。今年はテレビアニメで大好評を得た『劇場版STEINS:GATE 負荷領域のデジャヴ』を完全新作で4月に公開予定。

 最後に、角川グループのひとつのニュースとして、4月1日に、角川書店の中にあった角川大映スタジオ、スタジオ事業部と呼んでいたが、こちらを分社して、グループコンテンツの映像化はもちろんのこと、グループ外の映画、テレビドラマ、CMの制作の制作受注をより積極的に行うという意味での新会社にするので、今後ともご活用をお願いしたい。(了)

(文・構成:和田隆)



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