閲覧中のページ:トップ > コラム > 社長・芸能音楽デスクコラム >

“元気”をアピールしたビクターエンタテインメント

社長・芸能音楽デスクコラム

最新記事

“元気”をアピールしたビクターエンタテインメント

2011年08月10日

 ビクターエンタテインメントのコンベンション「MUSIC STORM」が、東京・渋谷の新オフィス、ファーストタワーで行われた。

 思い起こせば、僕が最初にビクターに行ったときの社名は「ビクター音楽産業」だった。当時は、原宿のキディランドの向かいにある「ピアザビル」に本社があった。サザンオールスターズがデビューした直後のことで、アイドルでは小泉今日子はもちろん松本伊代とか、「金八先生」で人気になった伊藤つかさなんかがヒットを飛ばしていた。

 その後、ビクターエンタテインメントに社名が変わり、SMAPなどが出てきたが、12年ぐらい前に青山・表参道の交差点近くにある「パラシオタワー」に越した。

 言うまでもない。ビクターエンタテインメントは、日本コロムビアやキングレコード、テイチクエンタテインメントと並んで日本では、戦前からある老舗レコード会社の1つ。それだけに、音源の財産は豊富だ。もっとも、財産はいっぱいあっても、「宝の持ち腐れ」なんてことになっちゃ価値がないのだが…。

 とは言っても、ここ数年は音楽業界の低迷もあって売上げは激減。親会社である日本ビクターの経営不振もあって元気がなかった。売り上げは落ちるし、リストラも行われた。しかも、この1~2年は何かと激動の年だった。

 09年の秋あたりから、コナミへの売却話が出た。さらに昨春にはソフトバンクの孫正義社長が「買収する」なんて話まで…。全国紙の「読売新聞」が1面なんかで報じたものだから真実味があった。今振り返ると、あの話はどうなったのか?

 そういったゴタゴタの中で、09年11月に社長になったのが斉藤正明氏だった。斉藤氏は、元東芝EMI(現EMIミュージック・ジャパン)の代表取締役会長兼CEOだった人である。斉藤氏が東芝EMIの社長だった頃は「サザンオールスターズが移籍か?」なんて、噂まで出ていただけに、それが今では、サザンオールスターズの所属するビクターエンタテインメントの社長になっているんだから妙な話である。

 因みにだが、斉藤氏は東芝EMI時代、洋楽制作本部長、EMI本部長、Virgin本部長などを歴任して、97年に代表取締役社長に就任した。その在任中に宇多田ヒカルや椎名林檎、鬼束ちひろ、矢井田瞳など多数の新人アーティストが生まれた。そういった意味では洋楽から邦楽まで、音楽制作には精通した人である。

 さて、話をビクターエンタテインメントに戻すが、7月19日に渋谷の六本木通り沿いにある新しいオフィス(渋谷ファーストビル)に移転した。周辺にはフォーライフミュージックや徳間ジャパンコミュニケーションズ、日本クラウン。さらには日本コロムビアの親会社となったフェイスの本社もある。いわば、エンタテインメントの発信基地になろうという場所である。

 そして、そこで開かれたのが「MUSIC STORM」だったわけだが、考えたら、斉藤氏は東芝EMI時代も似たようなコンベンションをやっていて、そこから宇多田なんかをデビューさせた。今回のコンベンションが斉藤社長の発案だったのかどうかはいいとして、まずは、この催しを今後も継続していくことに尽きるだろう。

 それにしても、ビクターエンタテインメントが、今回のようなコンベンションを開いたのは初めてだろう。過去に記憶がない。しかし予算もかかるし、よほどヒット曲を出さないと大変だ。もっとも、来週は桑田佳祐のシングルやSMAPのアルバムが出るから大丈夫だろうけど…。

 いずれにしても、会場にはレコード店の販売担当者やマスコミ、音楽関係者など300人以上が詰めかけた。紆余曲折、七転八倒、色々なことが起こったが実は、みんなビクターエンタテインメントに期待している…そんな感じだった。

 現在、ビクターエンタテインメントには9つの制作部門とアニメ音楽制作の関連会社があるが、そのプレゼンだけで130分。意外にラインナップも揃っていてビックリした。今回は、本社を移転したこともあるが、ある意味で心機一転「元気」で「活気のある」ビクターエンタテインメントをアピールしたことは確かだった。

(渡邉裕二)

関連記事

過去のタイトル一覧

2017年

8月

2015年

6月│ 8月

2014年

2月│ 6月│ 12月

2013年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 10月│ 11月

2012年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2011年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2010年

10月│ 11月│ 12月