東北芸術工科大(山形市上桜田)と京都造形芸術大(京都市左京区)は、それぞれの学校を運営する法人の統合に向け協議を進めることで合意、このほど発表した。来年春の法人統合を予定。実現すれば、芸術系大学では国内最大規模の学校法人となる。
現在、東北芸工大は学校法人東北芸術工科大学、京都造形芸大は学校法人瓜生山学園がそれぞれ運営している。今後、両法人は統合に向けた協議に入り、7月末に文部科学省に認可申請、11月頃には認可がおりる見込み。来年4月1日の統合を目指している。名称は「学校法人藝術学舎」となる予定。
「学校法人藝術学舎」が誕生すると、芸術系の大学を運営する学校法人としては国内最大規模になる。東北芸工大と京都造形芸大をあわせた学生総数は1万人を超え、大阪芸術大学などを運営する学校法人塚本学院をしのぐ規模になるという。
東北芸工大と京都造形芸大は、過去20年にわたり姉妹校として密接な連携をとってきた。「藝術立国」を共通の志に掲げ、2003年には韓国事務所、2006年には東アジア芸術文化研究所、2010年には東京に外苑キャンパスを共同で開設した。法人統合後は、両校の学部学科や教員組織を従来通りに維持しながらもさらなる連帯をはかる。
東北芸工大は、映画界で活躍する根岸吉太郎監督が今年4月より学長を務めている。また、京都造形芸大は映画学科を擁し学科長は林海像監督が就いており、両校ともに映画・映像教育に積極的な姿勢を打ち出している。さらに、京都造形芸大の副学長は作詞家でAKB48のプロデューサーとしても知られる秋元康氏が担っており、AKB48の衣装を同校の学生が手がけるなどエンタメ業界にも近い存在にある。