松竹配給『紙の月』(11月15日公開)の完成報告会見が、21日夜パークハイアット東京で行われた。
当日は、銀行で働く平凡な主婦から横領犯へと変貌していく主人公・梅澤梨花を演じた宮沢りえ、梨花の先輩社員で次第に梨花を追い詰めていく隅より子役に扮した小林聡美、梨花の同僚でしたたかな銀行の窓口係・相川恵子を演じた大島優子、そして原作者・角田光代、吉田大八監督がそれぞれ作品について抱負を語った。
▽宮沢りえ 改めて7年ぶりの主演ということに驚いています。7年間サボっていたわけではなく(笑)、舞台中心に仕事をしていました。私はタイミングってすごく大事だと思っていて、映画もそろそろやりたいなと思っていたら、オファーをいただいたんです。すぐに「やる!」という感じではなく、今までにやったことのない役を始めるのにはちょっと時間がかかりました。でも吉田監督と仕事がしたい、見たことのない自分を見てみたいと思って、受けました。本当に見たことのない自分がいて驚きました(笑)衝撃的でした。7年の間に溜めておいたものを出し切った作品です。今までにやったことのない役で戸惑いもありましたが、監督のリードで梨花という役の輪郭がはっきりしていって、楽しいだけではなく濃密な撮影でした。
▽小林聡美
宮沢りえさんと私、2人ともキャリアは相当なんですが、実は初共演なんです。素敵なスタッフ・キャストの方といっしょに緊張感のある楽しい撮影でした。
▽大島優子
先輩方のお芝居を間近で見て、空気感や芝居への取り組み方、姿勢などに感化されました。(原作にはない)オリジナルキャラクターを作っていただき、とても嬉しいです。梨花とどう関わっていくか楽しみにしていてください。
▽角田光代
映画になるのは嬉しいです。映画を拝見したら、もの凄い映画になっていて度肝を抜かれました。女性は言い訳したくなると思うのですが、この映画はそんなことしないですし、個人の正義もないんですよね。これを作り上げた監督はすごいです。良いことは起きないけれど、観たあとは爽快な気分になります。私には書けないです(笑)
▽吉田大八監督
原作を読んで、世の中に牙をむいている作品だと感じました。そんな原作を映画化するにあたっては、挑戦する姿勢を見せなければならないと思い、映画の表現として隅・相川というキャラクターが出来たんです。一人でも多くの方に映画を観ていただけるよう、よろしくお願いいたします。
(写真は、左より吉田監督、大島、宮沢、小林、角田)
(C)2014「紙の月」製作委員会