「雨の慕情」「舟唄」などの大ヒットで知られる演歌の女王、八代亜紀がジャズアルバム「夜のアルバム」(10月10日発売=ユニバーサルミュージック合同会社)の公開レコーディングを行い、アルバムに収録される予定の2曲「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」「クライ・ミー・ア・リヴァー」を披露。「団塊の世代の皆さんに向けて、もう一度、良い時代だった頃に心を戻してもらいたい。そんな思いを伝えたいアルバムです。是非お家に1枚置いてね」とPRした。
八代とジャズの出会いは、八代が小学5年生の時、父親が買ってきた米国のジャズ歌手、ジュリー・ロンドンのレコードを聴き、そのハスキーボイスに魅せられたのがきっかけ。それまで自身のハスキーボイスにコンプレックスを持っていたが、ジュリー・ロンドンの声質に勇気づけられ、歌手を目指すようになったという。その後、1960年代半ばに15歳で熊本から単身上京。クラブ歌手としてジャズスタンダードなどを歌い歌手としての礎を築いた。
今回のアルバムでは当時歌っていたジャズスタンダードや歌謡曲などの「流行歌」をジャズアレンジでカバー。アルバムのプロデュース&アレンジは元ピチカート・ファイブの小西康陽。収録曲はこの日披露した2曲の他、「枯葉」「虹の彼方に」「サマータイム」「五木の子守唄~いそしぎ(メドレー)」「再会」「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」「私は泣いています」「ただそれだけのこと」など全12曲を予定。バックには本格派ジャズミュージシャンを揃えノスタルジックで大人のムード溢れるサウンドを表現。ジャズスタンダードは曲によっては日本語詞を交えて歌う。
八代は、7月27・28日の2日間、神奈川・葉山マリーナ特設ステージで行われる野外ジャズフェスティバル「真夏の夜のJAZZ in HAYAMA 2012」にも出演(28日)。「出演するのは今回が初めて。ジャズを本当に好きな人たちがたくさんいる中で、私の『舟唄』をジャズで聴かせたいと思います」と意気込みを語った。