【FREE】メ~テレ、コンテンツ制作に資本と人員投入
2011年03月18日
メ~テレ(名古屋テレビ)荒木髙伸社長は11日午後、本社で「定例記者会見」を開催し、大要次のとおり語った。
▼地デジ化=完全地デジ化へ向け、私ども送信側の対策は基本的に終了している(管内42のデジタル中継局全てを昨年までに整備済み)。デジタル受信機の世帯普及率はほぼ目標どおり進んでおり、総務省2010年12月時点の調査では、全国平均94・1%に対して、三重97・8%(全国1位)、岐阜97・4%(2位)、愛知96・8%(7位)。視聴者への周知も入念に行なっているので、私どもができる範囲内で「完全デジタル化」は順調に進んでいる。受信側設備の対策の遅れなど残された問題には、「デジサポ」を中心に支援活動が進められており、私どももスムーズな移行に向けて協力していく所存だ。
▼経営計画=「完全デジタル化時代」に勝ち残っていくために、メ~テレでは05年から「第1次中長期経営計画」を立て、さらにリーマンショックを経た後の10年春からは、12年度までの3年間の「第2次計画」に切り替えて取り組んでいる。「第2次計画」では、「第1次計画」の業務拡大重視から、効率化重視へと方向転換を図ったことが最大の特徴。しかしその後、スポットを中心に広告収入が回復傾向にある背景を踏まえ、長期的な業務の効率化や経費削減の努力は基本方針として継続しながら、一方で番組制作費の削減を一端ストップし、改めてコンテンツ制作に資本と人員を投入していくことにした。このコンテンツ強化の方針のもとで、特に4月の番組改編の目玉は朝ワイド番組の強化。87年4月に在名局では唯一、ローカル生放送の朝ワイド番組をスタートさせてから今年でちょうど25年目の春を迎える。私どもの計画では今春から3年かけて、午前6時台の1部の視聴率を6%、7時台の2部は10%に持ち上げていく。つまり朝ワイドとしてトップクラスを目指す。
▼放送関連事業=放送事業だけでなく、放送関連事業にも力を注いでいく。メ~テレでは、昨年2月に関連会社「名古屋テレビネクスト(株)」を設立し、6月から有料ch「エンタメ~テレ☆シネドラバラエティ」の放送を開始した。放送は、これまで主に「スカパー!」への契約加入で視聴できたが、この4月からは、「ひかりTV」「コミュニティネットワークセンター(CNCI)配信ケーブルテレビ局」、さらに「洛西ケーブルビジョン」でも視聴可能となった。今後もメ~テレの自社制作番組を中心に「エンタメ~テレ」やネットショッピングサイト「メ~コレ」など、他社にはない独自の放送関連事業を最大限に活用し、スケールの大きいビジネス展開を目指していく。
▼売上状況=下期に入ってスポット収入の活況が続いており、2月以降も同様の予想。一方でタイム収入は、ローカルタイムが厳しい状況だが、放送事業収入全体で5年ぶりの増収の見込み。今期64期の決算見込みは、全社売上でも5期ぶりの増収、営業利益は2期連続の増益、税引き後の最終利益については前々期、前期の2年連続赤字から、黒字に転換する見込み。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。