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東京エレクトロンH宮城や市民Hも被害

【FREE】東京エレクトロンH宮城や市民Hも被害

2011年03月16日

 11日に起こった東日本大震災の影響は、芸能界を始めとするエンタテイメント業界にも大きな影響を及ぼしている。すでに、仙台市内で予定していたアーティストの公演は中止、延期を発表しており、仙台に事務所を置くイベント・プロモーターは「東北はコンサート会場自体が壊滅状態に陥っている」と頭を抱えている。

 大地震の影響は、東北地方から芸能・文化をも奪った。仙台の大手プロモーター、ギルド・ネクストでは事務所も壊滅状態となった。

 「パソコンも何も使えません。電気は14日に何とか通りましたが、ガスは2~3週間は無理みたいです。とにかく、業務の前にすべてのインフラが無茶苦茶になってしまいました」(佐藤哲社長)。

 同社は、今月24日に井上陽水、27日に加山雄三のコンサートを仙台市内の東京エレクトロンホール宮城(宮城県立県民会館)で行う予定だったが「とても出来る状態にない」と言う。

 「会場が使えない状態です。もちろん会館自体が古いと言うこともありますが正直言って、使用の目途も立たない状態です」(会館関係者)。

○セキスイハイムスーパーアリーナは遺体安置所に
チケットの払い戻しもコンビニの混乱で時間が…

 仙台を中心に東北地方は県民会館や市民ホールの使用に関して軒並みに混乱している。仙台では最大級のアリーナ会場となっている利府町の仙台セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ21・宮城県総合運動場)は現在、被災者の遺体安置所になっており、すでに今月26、27日に予定していたMr.childrenの公演は中止されるなど、今後の使用に関しても全てキャンセルされた。関係者は「暫く、一般での使用は難しい」と言う。

 また、JR仙台駅そばの仙台サンプラザホールに関しても設備面に支障が出ており、使用は現時点では停止状態だという。「各所で被害が多くて、とにかく会場や設備などの業者の手が回らないようなんです」とは会場関係者も、さすがにお手上げ状態だ。

 コンサート会場は仙台ばかりではなく、福島県内も福島市や郡山市の県民会館や市民ホールなどが大打撃を受けている。

 「県民会館や市民ホールと言うのは、基本的に予算で運営していますからね。東京エレクトロンホール宮城の場合は、とりあえず応急処置は出来ても最終的には県の予算が下りないとどうにもならない。市民ホールも同じです。しかし、県も市も赤字財税の中で今回のような災害が起こってしまってしまったわけですから、どうにもならないのでは…」(在京のイベント関係者)

 今後、公演の延期や中止が相次いだ場合、対処にも混乱が生じる可能性がある。

 「中止に限らず延期の場合でも払い戻しに応じなければならない。その場合、チケットぴあ、eプラス、ローソンチケットなどの販売はコンビニなどを通しているので、払い戻しはコンビニということになる。しかし、そのコンビニも混乱しているので、暫くはチケットを所持してもらわないといけなくなる」(チケット販売関係者)

 と、対応にも課題が出てきた。

○東京電力に続き東北電力も「計画停電」で影響拡大か

 一方、東京電力に続いて、東北電力も今回の大震災の影響で一部の原発、火力発電所の運転が停止して電力供給能力が低下していることから「計画停電(輪番停電)」の検討に着手したことを発表した。このことから、宮城、福島、岩手の各県に限らず、青森や秋田、山形県でのコンサートやイベント開催にも大きな影響が及びそうだ。

 「現状では被災地はもちろん被害者の全容も分かっていない。福島の第一原発の爆発事故の影響も考えなければならないだろうし、少なくとも4月、5月…。もしかしたら今夏まで全く手につけられないと思う。何とかなっても今度は、誰が最初に始めるか…ということになる」

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。