閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

東宝『天気の子』会見、新海監督〝どエンタメ〟

【FREE】東宝『天気の子』会見、新海監督〝どエンタメ〟

2018年12月14日
『天気の子』会見(左より川口、森、新海、醍醐、川村の各氏) 『天気の子』会見(左より川口、森、新海、醍醐、川村の各氏)

 興収250億円を超える歴史的大ヒットになった『君の名は。』の新海誠監督による新作映画は、タイトルが『天気の子』と発表された。東宝の配給で、来年7月19日(金)に公開される。

 『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」する物語。東京にやってきた家出少年・帆高が、不思議な力を持つ少女・陽菜と出会い、ふたりの恋が描かれる。

 新海監督、プロデューサーの川村元気、川口典孝(コミックス・ウェーブ・フィルム)の各氏による製作発表記者会見が13日、東京・帝国ホテルで行われ、多くのマスコミが詰めかけた。同作は来年7月に完成を予定しているが、すでに全世界から配給のオファーが殺到しているという。世界から注目集める新作について、川村Pは「前回があまりに大きい成功だったので、改めて、チャレンジャーとしてどう映画を作れるかということを主眼に置いて新海監督とやってきている。全世界で公開されることはほぼ決定している状態で、今回は作品自体も、より世界で受け入れられるテーマを含んでいると思う」と説明。川口Pは「『君の名は。』のあと、スタジオを新設して、それまで3カ所に分かれていたが、今回は1カ所に全パートの人が集まり、新海を中心にものすごい一体感とエネルギーを発しながらうねっている。新海自身もこの2年半で進化しており、映画の仕上がりはものすごく期待してもらっていい」と早くも自信を覗かせた。

 新海監督は、新作のテーマに「天気」を選んだことについて、『君の名は。』のプロモーション続きで消耗していた16年夏、空を見上げた際の積乱雲が印象的だったことや、誰もが天気には毎日関心を寄せていることから着想を得たと説明。作品は「どエンターテイメント。笑えるし、泣けるし、ワクワクするし、知的好奇心も刺激される」とする一方、「主人公は家出少年で、世の中の規範からはちょっと外れていってしまう男の子。社会ではこういう人が求められている、ということとは全然違うことを語ってしまっている映画。それは映画を作る上で心配でもあるが、もしかしたら、今みんなが見たいのは、すごく正しい人よりも、正しくあろうとしてはいるけども、規範通りには行動できない。でも、その人が必死に何かに手を伸ばす、というものではないか。公開したら叱られるかな?と心配もあるが、ポジティブな部分と手放しでは褒められない要素が混じった映画」と挑戦的な作品であることを窺わせた。

 この日は、10~20代の2千人のオーディションから選ばれた、帆高役の声を担当する醍醐虎汰朗(18)と、陽菜役の森七菜(17)も登壇。川村Pは「数年後には間違いなく日本のトップになっている」と2人の俳優としての素質を絶賛した。原作・脚本・監督は新海誠、キャラクターデザインは田中将賀、作画監督は田村篤、美術監督は滝口比呂志、製作は『天気の子』製作委員会、制作プロデュースはSTORY inc.、制作はコミックス・ウェーブ・フィルム。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。