第29回東京国際映画祭ジャパン・ナウ部門では27日、大ヒット記録を更新中の東宝配給『君の名は。』を上映、会場・TOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン1(164+2席)は一般観客とマスコミで埋め尽くされた。上映後には新海誠監督、音楽のRADWIMPSより野田洋次郎が登壇し、制作中のやり取りを語った。
新海監督が、「言葉、モノローグの部分は、野田さんにお任せしようと決めて、制作した。それこそ、タイトルのヒントも得ようとした」と切り出すと、野田は、「最初は、なるべく詩のない楽曲を作っていったが、新海監督に見せる度に、『もっと言葉がほしいんだ』と返ってきた。ただ、並々ならぬ、まるで人間でない様な気概を感じたので、こちらも『前前前世』なんかでは、堂々と攻めきった音楽を作るつもりで取り組んだ」と新海監督の熱の入り方を明かした。それに対し、新海監督が、「野田さんだって、絶対にOKのところでも、NGを出していた。しつこい人だなぁって…」とこぼすと、野田も目を細めた。さらに、新海監督は、「楽曲『なんでもないや』の詩、“もう少しだけくっついていようよ”までの一連を聴いて、目にして、決めあぐねていた結末部分に踏ん切りがついた」。野田も、「今年の3月、4月頃まで入念なやり取りが続いた。先ほども言ったが、一緒に作っている意識を持たせてもらえた仕事だった」と互いを称えあった。