ギャガ配給『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』の主演メリル・ストリープの来日記者会見が24日、六本木アカデミーヒルズ 49Fタワーホールで行われた。オープニング上映される東京国際映画祭の開幕に先がけて行われたもので、マスコミ席には海外メディアの姿も多数見られた。
絶世のオンチにもかかわらずカーネギーホールを満員にし、今なお人々を魅了する伝説の歌姫マダム・フローレンスの物語。スティーヴン・フリアーズ監督、共演ヒュー・グラントの来日は叶わなかったが、メリルは「私だけ暇だった(笑)」とユーモアたっぷりに話して会場を笑わせた。
『マンマ・ミーア!』『イントゥ・ザ・ウッズ』『幸せをつかむ歌』で華麗な歌声を披露してきたメリルだが、今回は破壊的にオンチな女性という役柄。役作りにあたって、「まずは2ヵ月間、きちんとしたオペラの指導を受けて、最後の2週間で音程を外していった」と独特のアプローチをしたことを明かし、「フローレンスは歌はうまくないが、音楽を愛していた」と自身が演じた実在の人物に敬意を表した。
劇中では、マダムとグラント演じる夫、シンクレア・ベイフィールドの絆も描かれている。マスコミからは彫刻家の夫ドナルド・ガマーとの夫婦円満の秘訣について質問が挙がり、「夫もアーティストなので、私が役に固執することにも理解があって助かっている」とし、フローレンスとベイフィールドについても「彼らは夢を共有していた。ベイフィールドは自身が役者として才能が足りないことを自覚していて、フローレンスは自身のことを(歌がうまいと)誤解しているが、どちらも一緒に夢を見ていた」と魅力的な夫婦だったことを語った。
12月1日(木)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー。