昨日、名馬ステイゴールドが急死したという報道がありました。「2~3着が多い名脇役」や「オルフェーヴルを輩出した名種牡馬」といった内容が紹介され、ファンから悼む声が挙がっていますが、今日のブログでは、それらとはちょっと違う切り口でステイゴールドの功績を振り返りたいと思います。
96年の12月にデビューし、ケガもなくコンスタントに走り続け、どんな強敵相手でも上位に食い込み、01年の末まで競走馬生活を全うしたステイゴールド。その戦績には、数々の「超一流馬」たちとの名勝負の歴史が詰まっています。
90年代後半は、一流馬の早期引退が流行った時代。スペシャルウィークやエルコンドルパサー、タイキシャトルらが4歳で早々に現役を切り上げたのがその代表でしょう。また、サイレンススズカの競走中止をはじめ、故障によるリタイアも相次ぎました。その結果、たった1年しか経っていないのに、ガラリとトップクラスの勢力図が変わってしまう年が続きました。
具体的には、サイレンススズカが人気を博し、メジロブライトやシルクジャスティスらも活躍していた97~98年。エルコンドルパサー、グラスワンダー、スペシャルウィークら怪物級がしのぎを削った99年。テイエムオペラオーがナリタトップロード、メイショウドトウを負かし続けた00年~01年。
それぞれ、歴史に残る超名馬が生まれた時代でした。そして、その全ての世代と対決し、互角に渡り合ったのがステイゴールドでした。メジロブライトが勝った天皇賞春で2着に入り頭角を現し、サイレンススズカが散った天皇賞秋でも2着に善戦。翌年、スペシャルウィークとグラスワンダーが火花を散らした宝塚記念でしぶとく3着に入り、天皇賞秋ではスペシャルウィークに食い下がり驚きの万馬券を演出。テイエムオペラオーとナリタトップロードの対決で沸いた京都大賞典ではなんと1着入線後に失格という憂き目に遭いました。
90年代後半~00年代前半に活躍した超一流馬の戦績を見ると、必ずステイゴールドの名前が出てきます。いまVTRを見返しても、いつも小さな黒鹿毛が上位に顔を覗かせています。個人的には、それがこの馬の隠れた勲章だと思っています。
ベストレースは、もちろん引退に華を添えた香港ヴァーズ。「こりゃ無理だ」と思ったところから驚異の末脚を繰り出し、まさに「ドンピシャ」でゴール直前に逃げた馬を交わしました。あれは何度見ても鳥肌が立ちますね。引退させるのがもったいないなと思いました。
種牡馬としての活躍は言うまでもありません。オルフェーヴルは、この春間違いなく殿堂入りするでしょう。もしかすると、ステイゴールド自身も入る日が来るかもしれませんね。
さて、金曜日なので最後に恒例の競馬予想。今週は東京新聞杯。シャイニープリンスを推します。東京マイル戦は一番の得意条件。今回はG3にしてはメンバーに恵まれた印象で、後方一気が期待できそうです。ちなみに、この馬のお父ちゃんのキングヘイローもステイゴールドと4度対戦。結果はステイゴールドの3勝1敗でした。