競走馬の各世代のレベル差は、気にしてもあまり参考にならないものですが、現5歳世代の今年の勢いはさすがに見逃せません。なかなかの「ハイレベル」と言っていいと思います。
この世代の顔は、やはり女傑ジェンティルドンナでしょう。すでにG1を6勝。現5歳世代という枠に限らず、競馬史に残る名牝です。ただ、牡馬の方は正直、当初は影が薄い印象でした。上の世代にオルフェーヴルという怪物がいたせいもあり、「ゴールドシップぐらいかな…?」てなもの。おまけに、下の世代からキズナというスーパースターが現れたこともあり、昨年の凱旋門賞の時は「オルフェとキズナが世界一に挑戦!」と騒がれる中、その谷間の世代となってしまいました。
ただ、気がつけば状況は一変。昨年の天皇賞秋に続いて今年のドバイデューティーフリーを圧勝し、世界一の評価を受けたジャスタウェイが台頭。安田記念も強い競馬で勝ちました。また、フェノーメノがキズナを返り討ちにして天皇賞春を連覇すると、ゴールドシップも宝塚記念を連覇してG1を5勝目。
秋になっても勢いは止まらず、力を付けてきたスピルバーグが天皇賞秋を制覇。2着のジェンティルドンナ、4着のラブイズブーシェも5歳馬です。毎日王冠なんかは、勝ったエアソミュールを筆頭に1~5着まで5歳馬が独占しました。
ちなみに、ジェンティルと3歳時にしのぎを削ったヴィルシーナも今年ヴィクトリアマイルを連覇し、宝塚記念も3着に善戦。チューリップ賞でジェンティルもろとも豪快に差し切ったハナズゴールは、オーストラリアのG1・オールエイジドSを勝ちました。マイル重賞を勝ちまくっているクラレントや、中距離の快速馬トウケイヘイローもこの世代です。
すっかり、現在の競馬界の中核を担っている世代になったと言えるでしょう。個人的には、オルフェ引退後はキズナ、エピファネイアの時代になると思っていましたが、現時点では見込み違いだったかもしれません。
さて、金曜日なので最後に恒例の競馬予想。今週はアルゼンチン共和国杯をピックアップ。コスモロビンを狙います。最近は不振続きで買いにくいですが、気分が乗ればこのメンバーでは上位の力があります。東京長距離では実績がありますし、一発を期待です。