今年の菊花賞は、例年にも増して予想が難しいと思います。枠順、レース展開、馬場状態の違いでいくらでも勝ち馬が入れ替わりそうな難解なメンバー構成。馬券を当てた人は予想上手と言っていいでしょう。そこで、今日の当欄は、まるまる菊花賞予想に割いてみようと思います。
避けて通れないのはダービー馬ワンアンドオンリーの取捨選択。体調は申し分なさそうなので、そのほかの要素で判断したいところ。まず、コース適性は正直微妙な感じがします。坂のある競馬場でグイグイと力強く伸びてくるタイプ。3角から下り坂で、直線が平坦な京都競馬場でダービーのようなパフォーマンスが望めるのかどうか。加えて、人気が1本被りの横山典騎手というのも良いイメージはありません。また、ダービー馬が接戦で前哨戦を制した例は、ウイニングチケットやスペシャルウィークがありますが、いずれも本番は善戦止まり。
単勝2倍前半の低配当が予想されることを考えると、ハイリスク・ローリターンな馬のような気がします。
では、そのほかの馬はどうか。池江厩舎勢の大将格トゥザワールドは、どうもG1でワンパンチ足りない。今回も勝ちきるまではどうでしょうか。ただ、なにせ競馬上手で安定感は抜群。京都は3戦3勝と得意な舞台。川田騎手も、春の惜敗続きを踏まえて勝負に出るような気がするので、無視はできません。
面白いのはトーセンスターダム。どうも3角過ぎから手応えが悪くなる馬ですが、京都はそこが下り坂なので反応がマシ。やはり3戦3勝の舞台で前進が期待できます。調教の動きは過去最高だったようで、武豊騎手も1発を狙っていると思います。
池江勢第3の矢・サトノアラジンは、ちょっと距離が微妙。ディープ産駒なので京都で面白いかと思っていましたが、浜中騎手は折り合い重視の競馬をすると言っています。早めスパートの粘り込みを警戒していましたが、どうやら後方待機の競馬になりそう。評価を下げます。
ダービー組では、3着のマイネルフロスト。前走は最後にガス欠したような競馬でしたが、これはひと叩きして変わってくることでしょう。柴田大騎手なら積極的な競馬をするはず。3000mも持ちそうな感じで、大穴です。4着のタガノグランパは、距離がどうでしょうか。菱田騎手は「前向きさが出てきた」と言っていますが、それが距離延長にプラスに働くのかどうか。左回りの方が合っている気もします。6着ショウナンラグーンは、長い直接でジリジリと前を詰める東京向きの脚質。関西初遠征ですし、過度の期待はどうでしょうか。10着ワールドインパクトは前走が負け過ぎ。鞍上のブドー騎手も日本競馬は初めてなので、静観が無難かと。13着ハギノハイブリッドは、ここ2走が案外。G1レベルで「?」が付きます。
神戸新聞杯好走のサウンズオブアース、トーホウジャッカルはどちらも魅力的。前者は競馬センスが良く、前走で今までにないキレる脚も披露。追い切りで蛯名騎手も絶賛しており、上位争いが期待できます。後者は、神戸新聞杯でゴール前の脚が最も際立っていました。上昇度ではナンバーワンか。ちょっと前向きすぎる気性と、若干出遅れ気味だった前走は気になりますが、買っておきたい馬です。
そのほか、ヴォルシェーブは非常に取捨が難しい。前走を見ると、少しジリ脚なような気もしますが、剛腕岩田騎手が早めスパートで粘り込みを図るような気も。軽視は禁物です。札幌で力をつけてきたゴールドアクターは、長距離よし、競馬センスよしで素直に買いたい上がり馬。ただし京都の高速馬場は少し不安。ミヤビジャスパーは、出遅れが気になるタイプ。後方で折り合いに専念する競馬が予想されるので、今回はどうでしょうか。素質は高いと思いますが…。
ダートで勝ってきたのアドマイヤランディ、メイショウスミトモは消し。サングラスは調子が良さそうですし、大逃げするかもしれないので気になりますが、せいぜい押さえまで。シャンパーニュは重馬場ならちょっと怖い存在ですが、普通なら難しいかと思います。
(まとめ)
積極的に買いたい馬…サウンズオブアース、トーホウジャッカル、トーセンスターダム、ゴールドアクター
押さえ…ワンアンドオンリー、トゥザワールド、マイネルフロスト、ヴォルシェーブ、サングラス
消し…サトノアラジン、タガノグランパ、ショウナンラグーン、ハギノハイブリッド、ワールドインパクト、ミヤビジャスパー、アドマイヤランディ、メイショウスミトモ、シャンパーニュ
そして、本命はサウンズオブアースとします。買いたい4頭の中でも最も狙っていた馬が、最高の2枠4番を獲得。文句なしです。2番人気になりそうなのが不満ですが、この馬はいつも実績以上に人気するので仕方なしです。