インタビュー:因藤靖久・東芝エンタテインメント㈱配給統括部宣伝部長/ベネチア国際映画祭で上映した2作品「魔笛」「蟲師」を語る
2006年09月26日
――製作費も相当大きかったようですね。 約40億円をかけて製作された実に贅沢な作品です。ピーター・ムーア財団というオペラ振興財団からの資金によって製作されました。出演者には主役から脇役までオペラ歌手を起用しています。例えば、王子タミーノ役は若手スターのジョゼフ・カイザー、夜の女王役はベテランのリュボフ・ペトロヴァといった具合に、見る人が見れば誰が出演しているのかすぐ分かります。まさに本格オペラ映画です。
――この映画をどのように宣伝していきますか。オペラ映画というと、少し敷居が高いような気もしますが。 オペラの入門編の映画として売っていきます。“オペラが1800円で見られます”というのが宣伝の基本路線です。まずはオペラの基礎知識を知ってもらって、オペラを知らない人でも抵抗なく映画を見ることができるようにします。
――普段からオペラを見ている人、オペラに興味のある人は必ず見るでしょうね。 ええ、そう思います。東京オペラシティや文化村でオペラを観劇するような人たちは間違いなく見てくれるはずです。それに、モーツァルトは日本人にとって特別に親しみのある作曲家でもありますから、オペラファンばかりでなくモーツァルトの音楽ファン全てに見てもらいたい映画です。
――公開時期、公開劇場は決まりましたか。 2007年に公開する予定ですが、時期、劇場ともに未定です。劇場、時期が固まり次第、宣伝を立ち上げます。ベネチアでのワールドプレミア終了後のパーティー会場でケネス・ブラナー監督と話をしましたが、その時に“「魔笛」公開の際には、ぜひ訪日してプロモーションを行いたい”と言っていましたから、彼の来日も期待できると思います。