インタビュー:因藤靖久・東芝エンタテインメント㈱配給統括部宣伝部長/ベネチア国際映画祭で上映した2作品「魔笛」「蟲師」を語る
2006年09月26日
ケネス・ブラナー監督×モーツァルト「魔笛」 そして、大友克洋監督×オダギリジョー「蟲師」
注目の2作品が異国ベネチアの地でベールを脱いだ――
東芝エンタテインメント配給の2作品が、第63回ベネチア国際映画祭(2006年8月30日~9月9日)で上映された。 「魔笛」と「蟲師」(監督:大友克洋/主演:オダギリジョー)で、同社の2007年ラインナップの中でも期待値が高い2本だ。 同映画祭に参加した因藤靖久・配給統括部宣伝部長に、ベネチアでの評判、これからの宣伝方針などを聞いた。 ※「蟲師」についての記事は、文化通信社が発行する「月刊文化通信ジャーナル」(2006年10月号)に掲載中。 「魔笛」(原題「マジック・フルート」)は英国俳優のケネス・ブラナーが監督と脚本を手掛けた最新作。モーツァルトの同名オペラが映画化されたものである。
物語は、王子タミーノが魔法の笛に助けられながら試練を乗り越えて、夜の女王の娘パミーナと結ばれるまでを描くラブストーリーだ。映画では、舞台を第1次世界大戦前夜という設定に置き換えている。
――ベネチア映画祭での「魔笛」の上映の様子を聞かせてください。 9月7日の夜、特別招待作品としてワールドプレミア上映されました。会場は伝統あるオペラハウス、フェニーチェ劇場。映画祭サイドからフェニーチェ劇場での上映が提案されました。スクリーンや機材を搬入・設置して、一夜限りの特設映画館として上映を行いました。
――映画の出来はいかがですか。加藤鉄也社長は「脚本段階ではどんな映画が完成するのか見当もつかない。しかしポテンシャルはありそうな予感がする」と以前話していましたが。 冒頭のカメラワークが圧巻ですね。CGというのは通常、リアリティを追求するために使うものですが、この映画の場合は違うんですね。ケネス・ブラナーはリアリティを求めるだけではないCGの使い方をしていて、これが秀逸なんです。それに全編のなんと90%以上は役者が歌っているシーンですが、それでも物語はきちんと展開していくのです。